ドルストレートとクロス円理解してFX取引に活かそう

ドルストレートとクロス円とは?

FX取引において、ドルストレートとクロス円は重要な概念です。それぞれの特徴や違いを理解し、効果的なFXトレードを行うためには、両者の相関性やメリット・デメリットを把握することが欠かせません。本記事では、ドルストレートとクロス円の基本的な概念や違い、おすすめの通貨ペアなどについて解説していきます。

目次

ドルストレートとクロス円とは

ドルストレートとクロス円は、FX取引における通貨ペアの種類です。

ドルストレート

米ドルを含む通貨ペアのこと

主要なドルストレートには、USD/JPY(米ドル/日本円)、EUR/USD(ユーロ/米ドル)、GBP/USD(英ポンド/米ドル)、AUD/USD(豪ドル/米ドル)などがあります。

クロス円

日本円を含むが米ドルを含まない通貨ペアのこと

主要なクロス円には、EUR/JPY(ユーロ/日本円)、GBP/JPY(英ポンド/日本円)、AUD/JPY(豪ドル/日本円)などがあります。

ドルストレートの特徴

ドルストレートは、米ドルが世界的な基軸通貨であることから、取引量が多く流動性が高いのが特徴です。そのため、スプレッドが狭く取引コストが低い傾向にあります。また、経済指標や政治的な動きによって米ドルの価格が変動するため、特に米国に関係するファンダメンタルズ分析が重要です。

クロス円の特徴

クロス円は、日本円を含む通貨ペアで、米ドルを含まないため、ドルストレートとは異なる特徴があります。クロス円の取引量はドルストレートに比べると少ないですが、日本円がアジアの基軸通貨であるため、アジア市場を中心に取引が活発です。また、日本の金融政策や経済指標によって価格が変動するため、日本の経済状況に注目することが重要です。

ドルストレートとクロス円の違い

主なドルストレートとクロス円の違いは下記の通りです。

レートの計算方法

ドルストレートのレートは、そのままの値で計算されますが、クロス円のレートは、日本円で表示されるため、ドルストレートを利用して間接的にレートが計算されます。これは、クロス円通貨ペアが米ドルを含まないため、米ドルを介した為替レートの変換が必要になるからです。例えば、EUR/JPYのレートは、EUR/USD(ユーロ/米ドル)とUSD/JPY(米ドル/日本円)のレートを利用して計算されます。この計算方法により、投資家はクロス円通貨ペアの相対的な価値を把握し、投資判断を行うことができます。

スプレッドの違い

ドルストレートは取引量が多く、流動性が高いため、スプレッドが狭く取引コストが低いのが特徴です。これに対して、クロス円は取引量が少ないため、スプレッドが広くなることがあります。ただし、両通貨ペアともに、各国の経済指標や政治的要因によって価格変動が起こるため、両者のファンダメンタルズ分析が重要です。

ドルストレートとクロス円の相関性

ドルストレートとクロス円の相関性

ドルストレートとクロス円の通貨ペアは、世界経済や金利動向、リスクセンチメントなどの要因によって相関性が生じることがありますが、それぞれの通貨ペアの特性や市場状況によっても相関性が変動することもあります。例えば、リスクオフ状態では、投資家が安全資産への逃避を図るため、安全通貨とされる米ドルや日本円が買われる一方で、リスク通貨である豪ドルやニュージーランドドルが売られる傾向にあります。このような状況下では、ドルストレートとクロス円の通貨ペアに相関性が生じることがあります。

しかし、相関性は一定ではなく、市場の状況や他の要因によって変動します。そのため、トレーダーは常に相関性をチェックし、ポートフォリオ全体のリスクを適切に管理することが重要です。

また、ドルストレートとクロス円通貨ペアの相関性は、中央銀行の金融政策や経済指標の発表、政治的な出来事など、様々な要因によっても影響を受けます。これらの要因によって、相関性が強まったり弱まったりすることがあるため、トレーダーはこれらの要因に注目しながら、相関性を活用したトレード戦略を立てることが求められます。

ドルストレートとクロス円それぞれのメリット・デメリット

ドルストレートとクロス円それぞれのメリット・デメリット

次に、ドルストレートとクロス円それぞれのメリット・デメリットについて確認しておきましょう。

ドルストレートのメリット

ドルストレートのメリットとして、流動性が高く、取引しやすいという点が挙げられます。世界中の投資家がドルストレートを利用して取引を行っているため、取引量が多く、常に市場に参加者が存在します。そのため、注文が素早く執行されやすく、安定した取引環境が提供されています。また、流動性が高いことからスプレッドが狭くなり、取引コストが低く抑えられるのも大きなメリットです。これにより、短期間での取引やスキャルピングなど、さまざまな取引スタイルに適応できます。

ドルストレートのデメリット

一方で、デメリットとして、ドルストレートの通貨ペアは米ドルに関するニュースやイベントが為替レートに直接影響を与えるため、予測が難しい場合があることが挙げられます。米ドルは世界の主要通貨であり、米国の金利政策や経済指標の発表、さらには政治的な出来事などが為替市場に大きな影響を与えることがあります。これらの要因により、ドルストレートの為替レートが急激に変動することがあり、市場の予測が難しくなることがあります。そのため、ドルストレートを取引する際には、米ドルに関する最新情報や市場動向を常にチェックし、リスク管理を徹底することが重要です。

クロス円のメリット

クロス円のメリットとして、クロス円は米ドルを含まない通貨ペアであるため、米ドルに関するニュースやイベントの影響を受けにくいという点が挙げられます。これにより、米国の金利政策や経済指標の発表、政治的な出来事などが市場に与える影響を避けることができる場合があります。また、クロス円通貨ペアは、各国の経済状況や金利差に基づいてトレードされることが多いため、ファンダメンタルズ分析に基づく長期的な投資戦略を立てやすいというメリットといえるでしょう。

クロス円のデメリット

デメリットとしては、クロス円通貨ペアはドルストレートに比べて取引量が少なく、流動性が低い場合があるため、スプレッドが広がることがあります。これにより、取引コストが高くなることがあり、短期間での取引やスキャルピングなどの取引スタイルには不向きなケースが生じる可能性が考えられます。また、クロス円通貨ペアは、通貨ペアの組み合わせによっては市場参加者が少なく、価格変動が大きくなることがあるため、リスク管理が重要です。

さらに、クロス円通貨ペアは、日本円を含むため、日本の金利政策や経済指標、地政学的リスクなど、日本に関する情報に敏感に反応することがあります。そのため、クロス円をトレードする時には、日本に関する最新情報や市場動向を常にチェックしなくてはなりません。

おすすめのドルストレート通貨ペアとクロス円通貨ペア

最後に、ドルストレートとクロス円のおすすめ通貨ペアについてご紹介します。

ドルストレートのおすすめ通貨ペア

ドルストレートの中でも比較的流動性が高く、取引しやすいとされるドルストレートのおすすめ通貨ペアは以下の通りです。

USD/JPY(米ドル/円)

世界第二位の取引量となり、値動きは比較的緩やかなため、取引しやすい通貨ペアとされています。トレンドが続きやすい傾向にあるのも特徴です。日本人にとっては馴染みがあるので、初心者が挑戦しやすい通貨ペアでもあります。日本とアメリカの金融政策や経済状況に注意する必要があります。

EUR/USD(ユーロ/米ドル)

世界で最も取引量が多い通貨ペアであり、ため、取引しやすいとされています。また、スプレッドが狭く、取引コストが低いのも魅力です。ユーロ圏とアメリカの経済状況や金利差を考慮して取引することが一般的です。

GBP/USD(英ポンド/米ドル)

流動性が高く、ボラティリティも比較的大きいため、短期的な取引に適しています。ただし、英国の経済状況や政治的要因に注意を払う必要があります。

AUD/USD(オーストラリアドル/米ドル)

オーストラリアの経済は、中国との貿易関係や原材料価格に大きく影響を受けるため、この通貨ペアはそれらの要因に敏感です。また、オーストラリアとアメリカの金利差も影響を与える要素です。リスクアセットとしての性格も持つため、リスクセンチメントに注意して取引することが重要です。

USD/CAD(米ドル/カナダドル)

アメリカとカナダの経済は密接に関係しており、特にエネルギー資源(石油)の価格変動に影響を受けやすい通貨ペアです。このペアでは、両国の経済指標や金利政策、エネルギー市場の動向に注目して取引することが求められます。

クロス円のおすすめ通貨ペア

クロス円の中でも比較的取引しやすいとされているおすすめ通貨ペアは以下の通りです。

EUR/JPY(ユーロ/日本円)

ユーロ圏と日本の通貨ペアであり、取引量が多く、比較的流動性が高いクロス円の通貨ペアです。ユーロ圏の経済状況や金利政策、日本の金利や経済指標に注目して取引することが一般的です。

GBP/JPY(英ポンド/日本円)

ボラティリティが高く、短期的な取引に適していますが、リスクも大きいため注意が必要です。英国の経済状況や政治的要因、日本の金利や経済指標に注意を払いながら取引することが重要です。

AUD/JPY(オーストラリアドル/日本円)

オーストラリアと日本の通貨ペアで、リスクセンチメントに敏感な通貨ペアとして知られています。オーストラリア経済の動向や中国との貿易関係、日本の金利政策などを考慮して取引することが一般的です。

NZD/JPY(ニュージーランドドル/日本円)

ニュージーランドと日本の通貨ペアで、オーストラリアドル/日本円と同様に、リスクセンチメントに敏感です。ニュージーランドの経済指標や金利政策、日本の金利や経済状況に注目して取引することが求められます。

ドルストレートとクロス円を理解し、効果的なFXトレードを行おう

FX取引を始める際、ドルストレートとクロス円の理解は重要です。各通貨ペアの特徴や相関性、メリット・デメリットを把握し、効果的なトレードを目指しましょう。テクニカル分析も必須なスキルですので、基礎的なローソク足やライントレードの知識も併せて勉強するといいでしょう。

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