政府・日銀の円買い介入でドル円急落、米雇用者数が半年ぶりの小幅な伸びに

FXマーケットニュース。2024年5月6日
目次

概要

  • 政府・日銀による円買い介入と見られる動きがあり、ドル円は一時151円台まで下落して週を終えた
  • ドル円が上昇すれば、また警戒感が再燃して神経質な展開になる可能性も
  • 4月の米非農業部門雇用者数は、結果が市場予想を大きく下回った
  • 米国の労働市場は堅調さを見せてきたが、少し伸び悩みつつある
  • ユーロ圏のCPIはECBの目標とする2%に接近している
  • デコス・スペイン中銀総裁「全体として、2%のインフレ目標を比較的早期に達成するための正しい軌道に乗っていると確信を強めている」

政府・日銀の円買い介入と見られる動きでドル円急落

政府・日銀による円買い介入と見られる動きがあり、ドル円は一時151円台まで下落して週を終えました。ただ、160円台まで上昇していたドル円が大きく下落したことで、介入への警戒感は一旦和らいでいます。

円買い介入は2回行われたと見られますが、神田財務官は介入について語らない姿勢を貫いています。鈴木財務相も介入の有無に関するコメントを控えていますが、日銀の当座預金増減要因の予想値と市場の推計値に大きな開きがあり、介入があったことはほぼ確実だと言えそうです。

サマーズ元米財務長官は日本の為替介入について、「資本市場の巨大さを考えれば、日本が実施したとされる規模でさえも介入は効果をもたらさないことは明らかと言えよう」と語りました。一方、ある市場関係者は「日本の当局による相次ぐ為替介入の脅威がドル円に圧力をかけているのは明らかだ」と述べています。

また、イエレン米財務長官は円相場について、「比較的短期間にかなり動いた」とし、「こうした介入はまれであるべきで、協議が行われることが期待される」と語りました。現在は介入への警戒感が落ちついていますが、ドル円が上昇すればまた警戒感が再燃して神経質な展開になりそうです。

米雇用者数が半年ぶりの小幅な伸びに

4月の米非農業部門雇用者数は市場予想前月比24万人増、結果が17万5000人増となり、結果が市場予想を大きく下回りました。2023年10月以来の低い伸びとなっています。

失業率は市場予想3.8%、結果が3.9%となり、結果が市場予想を上回りました。平均時給は市場予想前月比0.3%増、結果が0.2%増となり、結果が市場予想を下回っています。

米国の労働市場は堅調さを見せてきましたが、少し伸び悩みつつあるようです。今回のような労働市場の減速を示す経済指標が続けば、米連邦準備制度理事会(FRB)が早期に利下げするとの観測が強まると考えられます。

シカゴ連銀のグールズビー総裁は、年内利下げの可能性があるかどうかについてはコメントを控えたものの、「こうした雇用統計が増えれば増えるほど、景気は過熱していないとの確信も強まるだろう」と語りました。米供給管理協会(ISM)が発表した4月の非製造業総合景況指数も、2022年以来となる縮小圏に沈み、景気が冷めてきていることを裏付ける結果となっています。

現在、市場は9月に利下げが開始され、年間では計2回0.5ポイントの利下げ実施を予想しています。少し前までは計1回0.25ポイントの利下げが予想されていたことを考えると、市場は景気が冷めてきており、FRBがそれに対して対策する必要性が高まっていると判断しているようです。

利下げ観測が強まれば強まるほど、ドル円の下落につながりやすくなるため、さらなる円高に注意した方がいいかもしれません。

東京都区部CPIの伸びが大幅に鈍化

4月のユーロ圏消費者物価指数(CPI)は総合が市場予想前年同月比2.4%上昇、結果も2.4%上昇となり、結果と市場予想が一致しました。価格の変動が激しい食品やエネルギーなどを除いたコア価格指数は市場予想前年同月比2.6%上昇、結果が2.7%上昇となり、結果が市場予想を上回りました。

インフレ率は欧州中央銀行(ECB)が目標とする2%に近づきつつあり、利下げ観測が強まってきています。また、1〜3月(第1四半期)のユーロ圏域内総生産(GDP)は、市場予想前期比0.1%増、結果が0.3%増となり、結果が市場予想を上回りました。

高水準のインフレと金利上昇に苦しめられてきたユーロ圏経済ですが、見通しはかなり明るくなってきたように感じられます。ECB政策委員会メンバーのデコス・スペイン中銀総裁も、「全体として、2%のインフレ目標を比較的早期に達成するための正しい軌道に乗っていると確信を強めている」と語っており、楽観的な姿勢を示しています。

市場ではECBが6月に利下げを実施するとの観測が強まってきており、これはユーロが売られることでユーロ円やユーロドルの下落につながりやすいです。そのため、ユーロ円やユーロドルの買いでの取引は慎重に行った方がよいかもしれません。

FXマーケットニュース。2024年5月6日

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