日本経済、回復の兆しと米小売売上高の伸びに見る消費者動向

週刊マーケットニュース8月12~16日
目次

概要

  • 日本経済は4月から6月の期間で、2四半期ぶりに成長を見せる
  • 個人消費や設備投資の持続性が日銀にとって重要となる
  • 米7月コアCPIの伸びは4カ月連続で鈍化、9月利下げ支える結果
  • 米小売売上高は、2023年1月以来の大きな伸びを記録
  • 小売売上高の増加も、米国経済の先行きは依然として不透明

日本実質GDP2四半期ぶりに成長を見せる

日本経済は4月から6月の期間で、2四半期ぶりに成長を見せました。内閣府が15日に発表したこの期間の実質国内総生産(GDP)の速報値は、前期比年率で3.1%増と市場予想の2.3%を上回りました。また、前期比では0.8%の増加となりました。

個別項目では、個人消費が1.0%増加し、5期ぶりにプラスとなりました。また、設備投資も0.9%増加し、2期ぶりにプラスとなりました。これは、一部の自動車メーカーが認証不正問題を乗り越えて出荷を再開したことなどが背景にあります。

今年の春闘で賃上げ率が33年ぶりに高水準となり、所得環境の改善が個人消費を後押ししました。輸出は1.4%増加しましたが、輸出から輸入を差し引いた外需寄与度はマイナス0.1%で、2期連続でマイナスとなりました。

1月から3月までの期間に停滞感が見られた日本経済ですが、今回の結果は回復の兆しを示しています。日本銀行は7月の金融政策決定会合で、消費や物価のデータが「順調」と判断し、追加利上げを実施しました。今後、個人消費や設備投資の持続性が、政策正常化を進める日銀にとって重要なポイントとなるでしょう。

米7月コアCPIの伸びは4カ月連続で鈍化

7月の米消費者物価指数(CPI)では、食品とエネルギーを除いたコア指数の前年同月比が、市場予想は3.2%、結果も3.2%上昇と一致し、2021年4月以来の低水準となった。一方、総合CPIは前月比で0.2%上昇し、前年同月比の市場予想は3%上昇、結果は2.9%の上昇となりました。

コアCPIの前年同月比の伸びは4カ月連続で鈍化しており、米金融当局が9月に利下げを行う根拠を支える結果となりました。エコノミストは、基調的なインフレの指標として総合CPIよりもコア指数を重視しています。

景気が徐々に下降しつつある中で、インフレは広範に低下傾向を示しています。雇用市場の軟化も相まって、米金融当局が来月利下げに踏み切るとの見方が広がっています。利下げの幅は今後発表される経済データに影響されると見られています。

ある関係者は、「投資家も政策当局者も、今回のCPI統計を市場と経済にとって総じて良好な内容と受け止めるだろう」と述べ、「インフレの鈍化に伴い、米金融当局は景気抑制的な政策を維持しながらも、正当な理由で利下げを行うことができる」と指摘しました。

米小売売上高、2023年1月以来の大きな伸びを記録

米国の小売売上高は、前月比で市場予想の0.4%増を上回り、実際には1%増加し、2023年1月以来の大きな伸びを記録しました。これは、サイバー攻撃の影響で低迷していた自動車販売が回復したことが主な理由です。自動車除くコア売上高でも、予想の0.1%増を上回る0.4%増となりました。

このデータは、借り入れコストの上昇や労働市場の鈍化、不透明な経済見通しにもかかわらず、米国の消費が維持されていることを示しています。しかし、新型コロナウイルスの影響で貯蓄が底を突き、賃金の伸びも鈍化する中で、多くの米国消費者がクレジットカードなどのローンに頼る傾向が増えています。特に支払い延滞が増加していることから、個人消費の持続性について懸念が高まっています。

このような米国の小売売上高の増加は一時的なものかもしれず、今後の経済状況に注視が必要です。消費者のローン依存が増加する中で、支払い延滞の増加が個人消費の持続性に影響を及ぼす可能性があります。全体として、米国経済の先行きは依然として不透明です。

週刊マーケットニュース8月12~16日

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