米7月の中古住宅販売とコアCPIが増加傾向

週刊マーケットニュース8月19~23日
目次

概要

  • 米7月中古住宅販売件数は5カ月ぶりに増加
  • 販売価格の中央値は前年同月比で上昇
  • 30年物固定住宅ローン金利は低下
  • 7月のコアCPIは3カ月連続で上昇

米中古住宅販売、5カ月ぶり増加

7月の米中古住宅販売件数は、5カ月ぶりに前月比1.3%増の395万戸となり、市場予想の393万戸を上回りましたが、依然として400万戸を下回っています。これは住宅ローン金利の低下により、住宅市場が安定化の兆しを見せていることを示しています。ある不動産関係者は、「わずかに増加したものの、住宅販売はまだ低調です」と述べ、金利の低下が消費者の選択肢を広げ、価格の手ごろさも改善していると指摘しました。

販売価格の中央値は前年同月比4.2%上昇し、42万2600ドル(約6180万円)で、7月としては過去最高を記録しました。中古住宅販売在庫は133万戸に若干増加しましたが、新型コロナウイルス禍前の190万戸余りを大きく下回っています。在庫消化に要する期間は4カ月です。ユン氏は、在庫が前年比で約20%増加しており、一部の所有者が3%の住宅ローン金利を手放して物件を売りに出していることを示唆しました。

30年物固定住宅ローン金利は6.5%に低下しましたが、全米抵当貸付銀行協会(MBA)の住宅購入申請指数は2月以来の低水準にあります。これは購入希望者が借り入れコストのさらなる低下と高止まりする提示価格の下落を待っていることを示しています。7月に販売された住宅の62%は、売りに出されてから1カ月未満で買い手が決まりましたが、前月の65%からやや減少しました。販売戸数の約4分の1は販売価格が提示価格を上回りました。平均売り出し期間は24日間で、前月の22日間から増加し、需要の軟化を示しています。

中古住宅販売は米住宅市場の大半を占め、契約が成立した時点で算出されます。7月の新築住宅販売件数は23日に発表される予定です。

消費者物価は3カ月連続拡大

7月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)は、エネルギー価格の上昇により3カ月連続で上昇幅が拡大し、前年同月比で2.7%の上昇を記録しました。これは市場予想と一致し、日本銀行の目標である2%を28カ月連続で上回る結果となりました。特にエネルギー価格は12%の上昇を見せ、政府の補助金が終了したことで電気代とガス代がさらに上昇しました。一方、エネルギーを除くコアコアCPIは市場予想と同じく1.9%の上昇にとどまり、2022年9月以来初めて2%を下回りました。

日本銀行の植田和男総裁は、7月末の金融政策決定会合後に追加利上げの可能性を示唆しましたが、米国経済の減速懸念が市場を不安定にしています。日銀の金融政策については、市場の動向を見極めながら追加利上げの時期を探る必要があります。明治安田総合研究所の藤田敬史エコノミストは、円安による食料価格の上昇圧力が和らぎ、物価の鈍化が続くと予想していますが、日銀は金融正常化のスタンスを継続し、12月の追加利上げを予想しています。

植田総裁は、衆参両院の閉会中審査に出席し、利上げ決定後の金融市場の変動について説明する予定です。内田真一副総裁は、金融市場が不安定な状況では利上げを行わないと述べており、総裁の発言に変化がないか市場は注視しています。賃金動向を反映しやすいサービス価格は前年同月比1.4%上昇し、前月の1.7%から上昇幅が縮小しました。これは2023年2月以来の低水準であり、今年の春闘で33年ぶりの高水準となった賃上げ率が物価にどのように影響するかが注目されています。

総じて、エネルギー価格の上昇が消費者物価全体を押し上げる一方で、コアコアCPIの鈍化が見られます。今後の金融政策の動向と市場の反応が注目されます。

ECB理事会議事要旨 全メンバーが政策金利の据え置きに同意

ECB理事会の議事要旨によると、全メンバーが政策金利の据え置きに同意しました。レーン氏が提案した政策金利据え置きに全員が賛成し、理事会の中期インフレ見通しに対する前回の評価をおおむね支持する情報が得られたことも確認されました。金融政策は引き続き厳格な資金調達条件を維持しています。

国内の物価圧力は依然として高く、サービスのインフレ率も上昇しています。そのため、総合インフレ率は2025年に入っても目標を上回る可能性が高いとされています。インフレが緩やかにしか下がっていない状況から、理事会の慎重な政策対応は当然と見なされ、これが今回の政策金利据え置きの根拠となりました。

賃金、利益、生産性、サービスインフレの動向に関する不確実性が広がっているため、この慎重なアプローチは特に正当化されるとされています。また、長期間にわたり金利を制限的な水準に維持することで経済に過度の損害を与えないことも重要であると強調されました。

メンバーは、インフレが中期目標の2%に適切な時期に戻ることを確実にする決意に変わりはなく、その目標達成のために必要な期間、政策金利を引き締め的な水準に設定し続けることを強調しました。適切な引き締めの程度と期間を決定するには、データに基づき、会合ごとにアプローチを維持することが重要であると認識されています。

インフレが目標に戻る正確なペースは依然として不確実であるため、特定の金利経路を事前に約束すべきではないとされています。9月の会合は金融政策の引き締めの程度を再評価する良い機会であると広く認識されており、先入観を持たずに臨むべきであるとされています。これは、データに基づく判断が特定の単一のデータに過度に集中することとは異なることを意味します。

週刊マーケットニュース8月19~23日

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