先週のドル円
先週のドル円は146円付近で始まり、147円台まで上昇したものの、その後は下落が続き、一時は141.7円台を付けました。最終的には142.3円台で週を終えています。
週の初めは株式市場の堅調な推移や、先々週の米経済指標の結果が良好だったことによるドル買い円売りの流れが継続しましたが、植田日銀総裁が「物価の見通しが実現していくとすれば、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整する」という方針を改めて示したことや、米連邦準備制度理事会(FRB)要人達のハト派的な発言、米8月非農業部門雇用者数が市場予想を下回ったことなどによって、大きな下落を見せました。
今週注目の経済指標
発表日 | 時刻 (日本時間) | 発表国 | 経済指標名 |
9/9 (月) | 08:50 | 日本 | 4~6月期四半期実質国内総生産(GDP)改定値 |
9/11 (水) | 15:00 | 英国 | 7月月次国内総生産(GDP) |
9/11 (水) | 21:30 | 米国 | 8月消費者物価指数(CPI) |
9/12 (木) | 21:15 | ユーロ圏 | 欧州中央銀行(ECB)政策金利 |
9/12 (木) | 21:45 | ユーロ圏 | ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁記者会見 |
今週注目の通貨ペア見通し
ドル円
ドル円は先週大きく状況が変化し、日銀による追加利上げ観測の高まりや、米FRBによる大幅利下げ観測の再燃などによって、ドル売り円買いの動きが活発になっています。今週は米8月CPIが注目されるものの、FRBの関心は物価から雇用に移っており、CPIの結果が与えるドル円への影響は薄まりそうです。
テクニカル的には、日足チャートでローソク足がようやく25日移動平均線にトライしたものの跳ね返され、また25日(青)、50日(緑)、100日(紫)、200日(赤)の4本の移動平均線を全て下抜けている状況になっています。MACDもデッドクロスしたことから、弱い地合いに戻ってしまっています。
まずは心理的な節目となる142.0円、そして8/5に付けた安値である141.6円台が下値の目安になるでしょう。
南アフリカランド円
南アフリカランド円は8.0円から8.3円のレンジで推移していたものの、先週は大きく下落し、心理的な節目となる8.0円を下回って週を終えました。しかし、ファンダメンタルズ的には、政治の安定化や経済の復調の期待、金・プラチナ価格の堅調な推移など、南アフリカランド円の上昇要因がそろってきています。
テクニカル的には心理的な節目を割ってしまいましたが、今回の下落はドル円相場の影響が大きく、南アフリカランドが弱かったわけではないと考えられます。レジスタンスラインとなっている200日移動平均線(赤)を再び上抜けるようであれば、買っていきたいところです。