先週のドル円
先週のドル円は143円台後半でスタートし、金曜日には146.5円付近まで急騰しました。しかし、その後は一時142.1円付近まで急落し、結局142.2円付近で週を終えています。
総裁候補である高市氏による追加利上げの牽制発言や、植田日銀総裁による「物価上振れリスクの減少で政策判断にあたり時間的な余裕がある」との追加利上げについての慎重な発言、米連邦準備制度理事会(FRB)要人によるタカ派的な発言などによって、ドル買い・円売りが入りやすい状況になっていました。
さらに、アベノミクスを継承すると目される高市氏が、自民党総裁選第1回投票で首位になったことで、日銀による追加利上げ観測が後退して円売りが入り、ドル円は大きく上昇することになりました。
しかし、決選投票では緊縮財政や金融政策正常化を掲げる石破氏が新総裁に選出され、追加利上げ観測が一気に強まって円買いが大きく入り、ドル円は高値から4円以上も暴落。米8月個人消費支出(PCE)が前月比で市場予想を下回り、ドル売りが入ったこともドル円の重しとなり、安値から価格をあまり戻せずに苦しい展開となりました。
今週注目の経済指標
発表日 | 時刻 (日本時間) | 発表国 | 経済指標名 |
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9/30 (月) | 15:00 | 英国 | 4~6月期四半期国内総生産(GDP)改定値 |
9/30 (月) | 26:55 | 米国 | パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長発言 |
10/1 (火) | 08:50 | 日本 | 7~9月期日銀短観・四半期大企業製造業業況判断 |
10/1 (火) | 18:00 | ユーロ | 9月消費者物価指数(CPI) |
10/1 (火) | 23:00 | 米国 | 9月ISM製造業景況指数 |
10/2 (水) | 21:15 | 米国 | 9月ADP雇用統計(前月比) |
10/3 (木) | 23:00 | 米国 | 9月ISM非製造業景況指数 |
10/4 (金) | 21:30 | 米国 | 9月非農業部門雇用者数 |
10/4 (金) | 21:30 | 米国 | 9月失業率 |
10/4 (金) | 21:30 | 米国 | 9月平均時給 |
今週注目の通貨ペア見通し
ドル円
ドル円は「石破ショック」によって大きく下落しましたが、石破氏は「金融緩和基調というのは基本的に変えることはしない」と述べるなど火消しを図っており、米FRBによる大幅利下げ期待の後退などもあって、反発の支援となる材料がそろっています。
週前半は石破ショックの影響が残って下値を探る展開になるかもしれませんが、週末に予定されている米9月雇用統計の結果次第では急騰も考えられます。
テクニカル的には、日足チャートで25日(青)、50日(緑)、100日(紫)、200日(赤)の4本の移動平均線を全て下抜けてしまっていますが、MACDはゴールデンクロスしており、25日移動平均線を上抜ければ50日移動平均線が位置する145.9円付近までの上昇が期待できそうです。
南アフリカランド円
南アフリカランド円は一時8.50円付近まで上昇し、先週に予想した8.3円、そして8.47円までの上昇を上回る勢いを見せました。テクニカル的にも、日足チャートで25日(青)、50日(緑)、100日(紫)、200日(赤)の4本の移動平均線を全て上回っており、地合いの強さが分かります。
週末には「石破ショック」によって大きく下落したものの、経済的な結びつきの強い中国の金融緩和など強い追い風となる材料もあり、心理的な節目である9.00円を目指しての上昇が予想されます。