- 米国の小売売上高は9月に0.4%増加し、予想を上回る。
- 家電や家具の売上は振るわず、大型支出は控えられた。
- 日本の9月消費者物価指数は2.4%上昇、伸び率は縮小。
- 中国の第3四半期GDPは4.6%増で、予測を上回る結果に。
- 中国経済は刺激策にもかかわらず低成長が続く見通し。
米国小売売上高、9月0.4%増で市場予想を上回る
米商務省が発表した9月の小売売上高は、前月比0.4%増加し、事前の市場予想(0.3%増)を上回りました。4カ月連続で市場予想を上回る結果となり、米国の個人消費が予想以上に強い状態が続いていることが確認されました。金額の大きいガソリンと自動車販売を除く売上高は0.7%増加しており、特に雑貨店(4.0%増)や衣料品店(1.5%増)の伸びが顕著です。
インフレによる節約志向が強まる中、年末商戦を待たずに一部の小売企業が値引きを拡大し、これが消費需要を押し上げていると考えられます。ヘルスケアや食料品も増加幅が大きく、特に必需品の売上高が安定して伸びています。一方で、家電(3.3%減)や家具(1.4%減)といった耐久消費財は振るわず、大型支出を避ける消費者心理が反映されています。また、原油価格の下落によりガソリンスタンドの売上高も1.6%減少しました。
9月の全体的な売上高は前年同月比で1.7%増加しており、8月の改定値は0.1%増で、速報値からの変更はありませんでした。
9月消費者物価指数(CPI)、2.4%上昇で伸び率縮小
総務省が発表した9月の消費者物価指数(CPI)は、生鮮食品を除いた総合指数が前年同月比で2.4%上昇し、5カ月ぶりに上昇率が縮小しました。政府による電気・ガス代補助の再開がエネルギー価格の上昇幅を抑えたことが主な要因です。
エネルギー価格の上昇は6.0%となり、8月の12.0%から大きく縮小しました。政府は2023年1月から一時的に補助金を停止していましたが、酷暑による家庭の負担を軽減するため、8月から10月分の電気・ガス代補助金を再開しました。その影響が9月の指標に反映されています。
一方で、食料品の価格は3.1%上昇し、8月の2.9%からさらに加速しています。特に米の価格は44.7%も上昇し、外食需要や猛暑による供給量の減少が影響を及ぼしています。チョコレート(9.8%増)や肉類(4.1%増)なども、原材料や輸送コストの上昇が価格に反映されています。
宿泊料は8月の9.5%から6.8%に縮小しましたが、夏休み期間中の価格ピークを過ぎた影響が大きいとされています。全体的には、原材料や物流コストの上昇が物価上昇に影響していることが確認されました。
中国7-9月期GDP、前年同期比4.6%増で予測を上回る
中国国家統計局が発表した第3四半期(7-9月)のGDPは前年同期比4.6%増となり、市場予想を上回りました。この成長率は、前期比0.9%増で、依然として政府目標の年間成長率5%を維持する水準です。しかし、中国経済は依然として低成長を続けており、これを食い止めるために9月下旬には一連の景気刺激策が発表されました。
特に不動産市場や株式市場を支援するための政策が強化されており、ゴールドマン・サックスをはじめとする多くの企業が、中国経済成長の予測を上方修正しています。しかし、これらの刺激策が直ちに成長を回復させるには不十分との懸念も広がっています。
特に、中国政府は新たな財政支出の詳細を明確にしていないため、成長鈍化の兆候が続いており、今後も経済政策の強化が必要とされています。9月に発表されたGDP成長率は予測を上回るものでしたが、今後の経済動向は引き続き注視が必要です。