先週のドル円
先週のドル円は157.7円付近で始まり、一時は158.2円付近まで上昇したものの、その後は155.0円付近まで大きく下落しました。ただし、週末には値を戻し、156.2円付近で週を終えています。
火曜日は氷見野日銀副総裁が行った講演の内容から乱高下し、水曜日は植田日銀総裁の「来週の会合で利上げを行うかどうか議論する」との発言から利上げへの期待感が高まり、円買いが活発化してドル円は下落しました。さらに米12月消費者物価指数(CPI)が市場予想を下回り、ドルが売られたことも下落の要因となりました。
今週注目の経済指標
発表日 | 時刻(日本時間) | 発表国 | 経済指標名 |
---|---|---|---|
1/24(金) | 未定 | 日本 | 日銀金融政策決定会合 |
1/24(金) | 未定 | 日本 | 日銀展望レポート |
1/24(金) | 08:30 | 日本 | 12月全国消費者物価指数(CPI) |
1/24(金) | 15:30 | 日本 | 植田和男日銀総裁定例記者会見 |
今週注目の通貨ペア見通し
ドル円
ドル円は日銀による利上げ観測が高まったことから、円高が進み大きく下落しました。ただし、利上げ観測が高まっても3円程度しか下がらなかったとも言えるでしょう。
ファンダメンタルズ的にはトランプ次期大統領が掲げる関税や減税政策によるインフレ再加速、そしてこれによる米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げ観測の後退、円キャリートレードの本格開始期待など、上昇を想定させる材料が多いです。テクニカル的には、日足チャートで50日(緑)、100日(紫)、200日(赤)の3本の移動平均線を上抜けており、地合いも強いです。
来週は20日(月)にトランプ氏の大統領就任、24日(金)に日銀の金融政策決定会合や日本の12月(CPI)などの重要イベントが予定されています。日銀の利上げ観測がドル円の重しとなることで、上昇は158円程度までにとどまることを想定していますが、トランプ次期大統領の発言を受けた乱高下には注意してください。
ユーロ円
ユーロ円は先週予想した通り160円を試した後、159.7円付近までの下落を見せました。先週発表された欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨では、「今後数カ月および数四半期にわたってインフレ率の基本予測が正しいことが確認されれば、政策の引き締めを徐々に緩和することが適切」とされており、月末の理事会でも0.25%の利下げが実施されそうです。
ファンダメンタルズ的にはECBによる追加利下げ観測、ドイツとフランスの経済や政治の不透明感、トランプ次期大統領の関税政策など、下落を想定させる材料が多いです。
テクニカル的には、日足チャートでローソク足が25日(青)、50日(緑)、100日(紫)、200日(赤)の4本の移動平均線を下抜け、MACDもデッドクロスしており、地合いもかなり弱いです。今週は再度160円を試し、抜ければ158円付近までの下落を想定しています。