先週のドル円
先週のドル円は144.8円付近で始まり、火曜日には142.4円付近までの下落を見せました。しかし、その後は一時146.2円付近まで上昇し、145.3円付近で週を終えています。
週初めは「通貨安を誘導していると思われる国に対し、米国が通貨高を求めるのではないか」との懸念が高まったことなどから、ドル売り円買いが入ってドル円は下落することとなりました。しかし、米国と中国がスイスで関税について協議を行うとの報道や、米連邦公開市場委員会(FOMC)後の会見でパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が利下げに対して慎重な姿勢を示したことなどから、一転して大きな上昇を見せました。
今週注目の経済指標
発表日 | 時刻(日本時間) | 発表国 | 経済指標名 |
---|---|---|---|
5/13(火) | 21:30 | 米国 | 4月消費者物価指数(CPI) |
5/15(木) | 15:00 | イギリス | 1〜3月期四半期国内総生産(GDP)速報値 |
5/15(木) | 15:00 | イギリス | 3月月次国内総生産(GDP) |
5/15(木) | 18:00 | ユーロ | 1〜3月期四半期域内総生産(GDP)改定値 |
5/15(木) | 21:30 | 米国 | 4月小売売上高 |
5/15(木) | 21:40 | 米国 | パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長発言 |
5/16(金) | 08:50 | 日本 | 1~3月期四半期実質国内総生産(GDP)速報値 |
今週注目の通貨ペア見通し
ドル円
ドル円は先週予想した通り上昇を見せたものの、50日移動平均線に上値を抑えられ、目標とした148.3円付近には届かず、146.2円付近までの上昇にとどまりました。米国のトランプ大統領は「対中関税は引き下げられる可能性が高い」としており、リスクオンムードが広がっています。
具体的な話はまだ先になると思われますが、協議が進展すればドル円は上昇しそうです。逆に、協議が難航すればドル売りにつながり、ドル円は下落しやすくなるでしょう。
テクニカル的には、日足チャートで50日(緑)、100日(紫)、200日(赤)の3本の移動平均線を下抜けており、地合いはやや悪い状態です。今週は4月9日に付けた高値である148.3円付近を目指しての上昇を予想します。
豪ドル円
先週の豪ドル円は93円を挟んでの展開に終始しました。今週は14日に豪1〜3月期賃金指数、15日には豪4月雇用統計が発表されます。
しかし、一番の注目は豪州最大の貿易相手国である中国が米国と行う関税協議でしょう。お互いが100%を超える関税を課し合う状況が続いている中、協議が進展すれば貿易戦争沈静化への期待から豪ドル円は上昇しやすくなります。
テクニカル的には、日足チャートで25日(青)、50日(緑)の2本の移動平均線を上抜け、MACDもゴールデンクロスしており、地合いはやや良い状態です。今週は3月18日に付けた高値である95.7円付近を目指しての上昇を予想します。