FXのリスク管理とは?3つのポイントで初心者にもわかりやすく解説

FX成功の秘訣。リスク管理って?

FX取引は多くのリスクがつきまといます。FXで利益を上げるためには、リスク管理を徹底しながら取引することが大切です。FX初心者のころはトレード手法や戦略に注意が行きがちですが、リスク管理が適切に行われていなければ、たった1回の負けトレードで資金の多くを無くしてしまう、という結果になりかねません。ここではトレーダーが身につけなければならないリスク管理を3つの種類に分けて解説します。

注意!
注意喚起のイラスト
目次

リスク管理とは

¥マークを持った人
¥を持った人のイラスト

FXのリスク管理とはトレード資金をさまざまなリスクから守るための方法のことです。

リスク管理には大きく分けて以下の3つがあります。

  • 相場変動のリスク
  • トレーダーの技量と資金管理リスク
  • トレーダーのメンタルリスク

では順番に見ていきましょう。

相場の変動リスク

相場は常に動いていますが、何かの原因によって急激に大きく動き出すことがあります。そしてその原因には予測できるものと予測できないものがあります。

1 予測できる相場変動リスク

経済指標や政策金利の発表

経済指標は発表スケジュールが決められています。米国の雇用統計などの重要な経済指標や主要国の政策金利の発表日時はトレード前に確認しておきましょう。

対策

ポジションがある場合

重要経済指標や政策金利の発表によってどのくらいの変動リスクがあるのかを予測してきましょう。

  • 変動リスクが予想できる場合
    保有しているポジションに対して損失が大きくなる方向に相場が動くとしたら、どのくらい動いたらポジションをクローズするのかを決めておき、そこにストップオーダーを入れておきましょう。
  • 変動リスクが予想できない場合
    指標の発表前までに保有ポジションをクローズするか、ポジションの一部をクローズするなどしてポジションサイズを小さくすると相場の変動リスクを軽減できます。
ポジションがない場合

重要経済指標や政策金利の発表後しばらく経ってからトレードを再開しましょう。指標発表直後は発表の内容と予想に乖離があった場合は相場が乱高下することがあります。特に初心者は相場が大きく動き出したことがチャンスに見えてその相場に飛び乗ろうとしがちです。飛び乗ったところが天井だったり底値だったりすることはよくあるので、相場の乱高下が収まるのを待ってからエントリーすれば予測不能な動きによる損失を防ぐことができます。

2 予測できない相場変動リスク

要人発言、自然災害、戦争、紛争、重大事件など

予定されていない要人発言や地震などの突発的な自然災害、突然のミサイル攻撃などの紛争や戦争、テロ攻撃などの重大な事件や事象は予測できません。したがってそれが起きて相場が急激に変動したあとに対応してもすでに大きな含み損になってしまっていることがあります。

対策

保有しているすべてのポジションには適切な位置にストップオーダーを入れて損失を限定させておきましょう。そうすれば寝ている間に何かが起きたとしてもストップオーダーが自動的に執行され、想定された損失の範囲で資金を守ってくれます。

トレーダーの技量や資金管理リスク

トレーダー自身に関するリスク管理はトレード戦略やトレード手法の選択ミスによるリスクと不十分な資金管理リスクの2つです。

1 トレード戦略やトレード手法のリスク

相場の動きに適合したトレード戦略やトレード手法によってトレードすれば問題ありませんが、相場の動きに合っていないトレード戦略やトレード手法を選択するとどれだけがんばっても損切が続き資金が減っていくことがあります。

トレード戦略とは

どの通貨ペアをどの方向でどのくらいのサイズのポジションでトレードするのかを決めるのがトレード戦略です。例えばドルが強く買われている相場で、ドル円やユーロドルというドルストレート通貨をトレードするのは正しい通貨ペアの選択ですが、豪ドル円やユーロポンドといったドルとは直接関係のない通貨ペアを選択することが戦略ミスになる場合があります。

トレード手法とは

トレード手法とはいつどこでエントリーするのかを決めることで、戻り売りや押し目買い、レンジブレイクなどがトレード手法です。例えば、上昇トレンド相場で押し目買いは正しいトレード手法ですが、相場がどんどん上がっている場面でRSIが買われすぎているというサインのみに従って売りから相場に入るのは手法の選択ミスになる場合があります。

対策

環境認識を正しく行い、どの通貨ペアの上下どちらの方向に優位性があるのかを判断することが大切です。週足や日足などを使って全体的な流れを掴んだら自分のトレードする時間軸が上位足の環境に対してどのような動きをしているのかを正しく把握し、その相場環境に合ったトレード手法を選択しましょう。

2 資金管理のリスク

トレーダーは目の前のトレードだけに意識が向いてしまいがちですが、目の前の相場と同時に資金も適切に管理することが重要であることは言うまでもありません。資金管理には2つのポイントがあります。

ポイント①

トレード毎の資金管理

トレード毎の資金管理とは、1回のトレードでどのくらいの損失を許容するのかを決めることです。FXはトレードを繰り返すことで資金を増やすことが目的ですが、勝率は100%ではありません。また5連敗、10連敗もないとは言えません。もし、10連敗した時にどのくらいの損失がでるのか、そしてどのくらいの損失であれば許容できるのかをあらかじめ決めておき、その損失にあったポジションサイズを選ぶことで損失を限定することができます。

ポイント②

資金全体の管理

デイトレーダーの場合は1日の損失許容額を決めておきます。例えば、資金の5%の損失が出たときはその日のトレードは終了する、という具合です。スイングトレーダーの場合は1週間の損失許容額を決めておき、損失の合計が決められた損失許容額に達したらその週のトレードは終了します。こうすることで感情的なリベンジトレードや乱射トレードを防ぐことができます。

トレーダーのメンタルリスク

人は誰でも自然な感情を持っていますが、トレーダーがその自然な感情の通りにトレードすると大損失を出してしまうことがあります。トレーダーは自分自身の行動と感情を適切にコントロールするために、まずトレーダーの感情のメカニズムについて知っておく必要があります。

1 プロスペクト理論

プロスペクト理論とは行動経済学の理論で、簡単に言えば人間は損失を避けるためには大きなリスクを受け入れる傾向があるということです。この傾向が損切ができないトレーダーの心理の根底にあります。損切りしてしまえばそこで損失が確定してしまうため、含み損があるときは、もう少し我慢していれば利益になるのではないか、含み損が少しでも小さくなるのではないか、という希望的観測に基づいてストップオーダーをキャンセルしたり含み損が大きくなる方向にずらしたりします。

これは人間に備わった自然な感情によって発生する自然な思考と行動ですが、この思考パターンを抜け出さなければ安定した勝ちトレーダーになることはできないことを覚えておきましょう。

2 連勝マインドのリスク

今週は1回も負けていない、というような連勝が続くとトレーダーはその連勝を維持することに固執し始めます。10連勝すれば20連勝を目指し、20連勝すれば30連勝を目指したくなる気持ちになりますが、その連勝に固執するばかりに損切ができなくなってしまうことがあります。連勝を維持したいためにたった1回の損切ができず、それまでの連勝で積み重ねてきた利益を最後の1回のトレードで失ってしまうことも十分に考えられます。連勝を続けているときこそ、FXは勝ったり負けたりしながら資金を増やしていくのが正しい姿だと常に自分に言い聞かせることが大切です。

3 リベンジトレードのリスク

ストップ
ストップ看板を持った人のイラスト

誰でも損失は出したくありませんが、トレードをしていれば必ず損失を出します。そして損失を確定させると、「今の損失をすぐに取り返したい」という強い衝動が沸き上がってきます。この衝動を抑えることは簡単ではありません。この衝動のままに根拠のないトレードを繰り返し、更に大きな損切を出したことがある人もいることでしょう。損切をした後は一度相場から離れ、冷静になり、もう一度環境認識からやり直し、新たな気持ちで次のトレードに臨むことをルーティーンにすると良いでしょう。

4 少額でも自分の空いた時間で稼ぎたいという焦りのリスク

仕事や家事が忙しくトレード時間が限られているような兼業トレーダーの場合は、限られた時間の中で少しでも利益を出したいと思うものです。そしてその限られた時間の中でトレードするためにはできるだけ短い時間軸のチャートを分析し、スキャルピングのようなトレードで利益を出そうとするかもしれません。

ただし、トレードはトレード時間が短くなればなるほど難しくなります。スキャルピングは非常にシビアなポジションコントロールと高い集中力、瞬間的な判断など高いレベルのトレードスキルが必要だということを理解して、自分のスキルレベルに合った時間軸のトレードを選択しましょう。

5 稼がなければならないというリスク

月末までにトレードで○○万円稼がなければ支払いができない、などの状況でのトレードは上手く行かない確率が非常に高くなります。つまり、相場を分析したり判断することよりも、自分の資金繰りの優先順位が高くなってしまい、本来ならばトレードしないような場面で無理にトレードしたり、証拠金に対していつもよりも大きなポジションを取るといった無謀な行動に繋がります。FXはトレーダーが冷静さを保てる余裕資金とポジションサイズで行うことが大切です。

まとめ

FXトレードで成功するためには適切なリスク管理が必要だということがお分かりいただけたと思います。トレードと同時にリスク管理もトレーダーの大切な仕事だということをしっかりと覚えておきましょう。

FX成功の秘訣。リスク管理って?

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次