先週のドル円
先週のドル円は146円台半ばから始まり、141円台半ばまで急落した後に週の半ばにかけて147円台後半まで急騰、その後は下げて147円台前半で週を終えました。1987年10月のブラックマンデーを超える日経平均株価の大暴落、これによる円キャリートレードの巻き戻し、そして米国雇用統計が弱い結果だったことによる米国の利下げ期待の高まりなどがドル円急落の背景となりました。
しかし、141円台半ばまで急落した後は急落に対する反動の買いや、日経平均株価の急反発、内田日銀副総裁によるハト派的な発言などから一転して急騰を見せ、これには驚かれた方も多かったのではないでしょうか。
また、南海トラフ地震への注意を呼びかける「南海トラフ地震臨時情報」が発表されるも、ドル円への影響は限定的であり、金曜日はやや落ち着いた推移となりました。
今週注目の経済指標
発表日 | 時刻 (日本時間) | 発表国 | 経済指標名 |
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8/14 (水) | 11:00 | ニュージーランド | ニュージーランド準備銀行政策金利発表 |
8/14 (水) | 18:00 | ユーロ圏 | 4~6月期四半期域内総生産(GDP)改定値 |
8/14 (水) | 21:30 | 米国 | 7月消費者物価指数(CPI) |
8/15(木) | 08:50 | 日本 | 4~6月期四半期実質国内総生産(GDP)速報値 |
8/15(木) | 15:00 | 英国 | 4~6月期四半期実質国内総生産(GDP)速報値 |
8/15(木) | 15:00 | 英国 | 6月月次実質国内総生産(GDP) |
8/15(木) | 21:30 | 米国 | 7月小売売上高 |
今週注目の通貨ペア見通し
ドル円
先週のドル円は週明け早々の急落、そしてそこからの急騰を見るに、セリング・クライマックスを思わせるような動きでした。しかし、デッドキャットバウンス(一時的な急騰)である可能性も否めず、慎重に取引をしていきたいところです。
ファンダメンタルズ的には、日銀による追加利上げ観測の後退や米連邦準備制度理事会(FRB)による大幅利下げ観測の後退によって、円売りドル買いの流れが起きやすい状況になっており、ドル円は上昇が想定されます。
テクニカル的には、日足チャートでローソク足が25日(青)、50日(緑)、100日(紫)、200日(赤)の4本の移動平均線を全て下抜けており、MACDもデッドクロスしています。
下降トレンドラインを上抜けることもできておらず、下落再開に警戒が必要です。
まずは140円を目指して下落することを考え、200日移動平均線を上抜けるようであれば買い目線に変更するとよいでしょう。
ユーロドル
ユーロドルは先週予想したレンジを一度上抜けましたが、下落してレンジ内に戻ってきています。値動きは激しいものの、直近の高値である1.0947付近(上段の赤い水平線)または心理的な節目である1.1000付近で売り、直近の安値である1.0777付近(下段の赤い水平線)での買いを慎重に検討したいところです。
ファンダメンタルズ的に見ると、中東情勢緊迫化に伴う地政学的リスクの高まりなどユーロドルの下落を思わせる材料が多く、できれば売りでエントリーできるとよさそうです。