先週のドル円
先週のドル円は146.7円台で始まり、中東情勢の緊迫化による地政学リスクの高まりや、アトランタ連銀のボスティック総裁による「利下げは近づいている」とのハト派的な発言、岸田首相による自民党総裁選不出馬の意向表明などがドル円の重しとなって、週の半ばには146円付近まで下落を見せました。
しかし、日経平均株価の大幅な上昇や、米7月小売売上高の市場予想を大幅に上回る結果、米主要株価指数の上昇などによって、週の後半には149円台半ばまで急騰しました。利益確定の売りと思われる動きもあって、147円台半ばまで下落して週を終えることになりましたが、好調な米経済指標を受けて「米国の景気は底堅く、大幅な利下げは無い」との見方が広がっており、長らく円安の要因となってきた円キャリートレードが本格的に再開される可能性が高まってきています。
今週注目の経済指標
発表日 | 時刻 (日本時間) | 発表国 | 経済指標名 |
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8/20 (火) | 18:00 | ユーロ圏 | 7月消費者物価指数(CPI) |
8/21 (水) | 27:00 | 米国 | 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨 |
8/22 (木) | 20:30 | ユーロ圏 | 欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨 |
8/23 (金) | 08:30 | 日本 | 7月全国消費者物価指数(CPI) |
8/23 (金) | 23:00 | 米国 | 7月新築住宅販売件数 |
8/23 (金) | 23:00 | 米国 | パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長発言 |
今週注目の通貨ペア見通し
ドル円
ドル円は8/5に141.68の安値を付けた後、先週の後半には149.4まで急騰しており、ボラティリティの高さには今後も注意が必要です。ファンダメンタルズ的には日銀による追加利上げ観測の後退や、米FRBによる大幅利下げ観測の後退、米経済のハードランディング懸念の後退など、円安に振れる要因が多くなっています。
株式市場も世界的に持ち直してきており、円キャリートレード再開への動きも見られ、このまま心理的な節目となる150円にトライする展開が予想されます。
テクニカル的には日足チャートでローソク足が25日(青)、50日(緑)、100日(紫)、200日(赤)の4本の移動平均線を全て下抜けていますが、MACDがゴールデンクロスして上昇トレンド入りを示唆しています。
節目の150円と151円台半ばに位置する200日移動平均線を上抜けた場合、本格的に買っていきたいと考えています。
豪ドル円
今週の豪州で目立った経済指標の発表が予定されておらず、取引しやすい環境になりそうです。オーストラリア準備銀行(RBA)の早期利下げ観測が後退しており、豪ドルは買われやすい状況が続くと考えられます。
テクニカル的は日足チャートでローソク足が25日(青)、50日(緑)、100日(紫)、200日(赤)の4本の移動平均線を全て下抜けていますが、MACDがゴールデンクロスして上昇トレンド入りを示唆しています。
節目の100円付近に200日移動平均線も位置しており、この水準はかなり注目されそうです。もし上抜けることがあれば、一気に急騰することもありそうです。