先週のドル円
先週のドル円は144円付近で始まり、一時143円台半ばまで下落、その後は146円台前半まで上昇して週を終えました。週の初めは、植田日銀総裁によるタカ派的な発言とパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長によるハト派的な発言という相反する発言によって、日米の金利差縮小の流れが意識されてドル円相場は弱さが見られました。
しかし、週の半ばからは米新規失業保険申請件数や米4〜6月期実質GDP改定値など、米国の経済指標が良好だったことや、株式市場の堅調な推移などから週末にかけて上昇し、円高ドル安トレンドの一服が感じられます。
今週注目の経済指標
発表日 | 時刻 (日本時間) | 発表国 | 経済指標名 |
9/3 (火) | 23:00 | 米国 | 8月ISM製造業景況指数 |
9/4 (水) | 10:30 | 豪州 | 4~6月期四半期国内総生産(GDP) |
9/4 (水) | 22:45 | カナダ | カナダ銀行(中央銀行)政策金利発表 |
9/5 (木) | 21:15 | 米国 | 8月ADP雇用統計 |
9/5 (木) | 23:00 | 米国 | 8月ISM非製造業景況指数 |
9/6 (金) | 21:30 | ユーロ圏 | 4~6月期四半期域内総生産(GDP)確定値 |
9/6 (金) | 21:30 | 米国 | 8月非農業部門雇用者数 |
9/6 (金) | 21:30 | 米国 | 8月失業率 |
9/6 (金) | 21:30 | 米国 | 8月平均時給 |
9/6 (金) | 21:30 | カナダ | 8月新規雇用者数 |
9/6 (金) | 21:30 | カナダ | 8月失業率 |
今週注目の通貨ペア見通し
ドル円
ドル円は週末にかけて力強く上昇し、円キャリートレードの再開を予感させるような動きにも見えます。ファンダメンタルズ的には、日銀による追加利上げ観測の後退や米FRBによる大幅利下げ観測の後退、そして株式市場の持ち直しなど、ドル円の上昇要因が多いです。
しかし、今週は米国の重要な経済指標が多く発表されることから、今後もこのような動きが続くかは経済指標の結果次第になりそうです。特に、FRBが物価から雇用に注目を移したため、週末の雇用統計は非常に注目されるでしょう。
テクニカル的には日足チャートでローソク足が25日(青)、50日(緑)、100日(紫)、200日(赤)の4本の移動平均線を全て下抜けている状況が長らく続いていたものの、ようやく25日線をトライし、MACDもゴールデンクロスしたことから、地合いの弱さの改善が見て取れます。
今週はドル円の上昇を予想しますが、経済指標の結果によっては一変しそうなため、慎重に行動すべき一週間になりそうです。
ユーロドル
最近は力強い上昇を見せていたユーロドルですが、先週は大きく下落しました。ファンダメンタルズ的には、欧州経済の先行き不透明感や欧州中央銀行(ECB)関係者によるハト派的な発言、米経済のハードランディング懸念の後退など、ユーロドルの下落を想定させる要因が多くなってきています。
テクニカル的にもMACDがデッドクロスしており、地合いの悪化が分かります。ドル円と同じく経済指標の結果に振り回されそうですが、メインシナリオは売り目線に切り替えるべきでしょう。