先週のドル円
先週のドル円は142.2円付近で寄り付き、141.6円付近まで下落したものの、週末にかけて大きく上昇して一時149円台を付けました。その後はやや値を戻しましたが、結局148.7円付近で週を終えています。
植田日銀総裁による「経済物価が見通し通り動けば緩和の度合いを調整するが、本当にそうか見極める時間がある」とのハト派的な発言や、石破首相による「現在は追加利上げをするような環境にはない」との日銀へのけん制とも取れる発言などによって円安が進みましたが、金曜日の米雇用統計が非農業部門雇用者数、失業率、平均時給が全て強い数値となったことで、ドル円はさらに大きく上昇することになりました。
今週注目の経済指標
発表日 | 時刻 (日本時間) | 発表国 | 経済指標名 |
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10/9 (水) | 10:00 | NZ | ニュージーランド準備銀行(中央銀行)政策金利発表 |
10/9 (水) | 27:00 | 米国 | 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨 |
10/10 (木) | 21:30 | 米国 | 9月消費者物価指数(CPI) |
10/11 (金) | 15:00 | 英国 | 8月月次国内総生産(GDP) |
10/11 (金) | 21:30 | カナダ | 9月新規雇用者数 |
10/11 (金) | 21:30 | カナダ | 9月失業率 |
今週注目の通貨ペア見通し
ドル円
ドル円は月曜日に付けた安値141.6付近から金曜日に付けた高値149円付近まで7円以上の急騰を見せ、先週に予想した145.9円付近までの上昇を大きく上回ることになりました。ファンダメンタルズ的には、植田日銀総裁や石破首相などの発言による追加利上げ期待の後退、米9月雇用統計の結果が強い数値だったことによる早期利下げ観測の後退、中東情勢の緊迫化も大規模な衝突にはエスカレートしていないなど、ドル円が上昇するための材料が多いです。
また、テクニカル的にも日足チャートで25日(青)、50日(緑)の2本の移動平均線をようやく上抜け、MACDもゴールデンクロスしています。今週は心理的な節目である150.00円、そして200日移動平均線(赤)が位置する151.00円付近が目標になります。
ユーロドル
先週ユーロドルは年初来高値である1.120付近で跳ね返された後に急落し、一時1.095付近まで売り込まれました。その後は少し値を戻したものの、1.098付近で週を終えています。
ファンダメンタルズ的には、ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁の「10月の次回政策会合でそれを考慮に入れる」との発言による利下げ観測の強まりや、米FRBによる利下げ観測の後退、中東情勢の緊迫化に伴う「有事のドル買い」など、ユーロドルは売られやすい状況になっています。
また、テクニカル的にも日足チャートで先週は全て陰線となり、25日(青)、50日(緑)の2本の移動平均線を下抜けるなど非常に弱い地合いです。心理的な節目である1.100も下抜けており、200日移動平均線(赤)が位置する1.087付近が次の目標になります。
ここを下抜けた場合、8月1日に付けた1.077付近までの下落も視野に入ってきます。