先週のドル円
先週のドル円は152.8円台で始まり、すぐに7月30日以来となる153.8円台まで上昇しました。しかし、その後は週末にかけて151.7円台まで下落し、153.0円付近で週を終えています。
週初は衆院選で自民党と公明党を合算した議席数が過半数割れとなったことによる日銀の追加利上げ観測の後退や、米大統領選でのトランプ前大統領の優勢報道による「トランプトレード」などが、ドル円上昇の要因になりました。
日銀金融政策決定会合で公表された展望レポートと、植田日銀総裁がタカ派的であったことや、株式市場の大幅下落によるリスク回避の円買い、米雇用統計が市場予想を大きく下回ったことなどが下落の要因となったものの、9月からの力強い上昇が続いています。
今週注目の経済指標
発表日 | 時刻 (日本時間) | 発表国 | 経済指標名 |
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11/5(火) | 12:30 | 豪州 | 豪準備銀行(中央銀行)政策金利発表 |
11/5(火) | 24:00 | 米国 | 10月ISM非製造業景況指数 |
11/7(木) | 21:00 | 英国 | イングランド銀行(中央銀行)政策金利発表 |
11/7(木) | 21:00 | 英国 | 英中銀金融政策委員会(MPC)議事要旨 |
11/7(木) | 28:00 | 米国 | 米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利発表 |
11/7(木) | 28:30 | 米国 | パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長記者会見 |
11/8(金) | 28:30 | カナダ | 雇用統計 |
ドル円
ドル円は上昇トレンドが続いており、7月30日以来となる高値を付けるなど堅調な動きを見せています。ファンダメンタルズ的には日銀による利上げ期待の後退や、米FRBによる利下げ期待の後退、円キャリートレードの再開期待など、ドル円の上昇要因がそろっています。
今週は米大統領選がありますが、トランプ氏とハリス氏は共に大幅減税と財政出動を公約として掲げており、どちらが勝っても金利に上昇圧力が加わることでドル買いにつながりそうです。
テクニカル的には日足チャートで25日(青)、50日(緑)、100日(紫)、200日(赤)の4本の移動平均線をしっかりと上抜け、MACDもゴールデンクロスしています。やや勢いは衰えてきた感がありますが、地合いは極めて強く、7月30日に付けた高値である155.2円付近を目指して上昇しそうです。
ただし、今週はFOMCや大統領選など重要な経済指標が多いため、乱高下に注意してください。
豪ドル円
豪ドル円は長く横ばいの状況が続いており、今週も一時100円を割り込むなどトレンドが転換する可能性を感じさせます。注目されていた第3四半期CPI(消費者物価指数)は前年比では2.8%上昇となり、豪準備銀行(中央銀行)が目標とする2〜3%以内に入ったことで、利下げをしやすい環境になってきました。
テクニカル的には25日(青)、100日(紫)、200日(赤)の3本の移動平均線を下抜けており、MACDもデッドクロスしていて弱い地合いとなっています。今週は豪準備銀行による政策金利の発表がありますが、利下げの示唆があったりタカ派的な発言が見られなかったりするようなら、豪ドルの売り圧力が高まる可能性があり、一度買いポジションを決済する方がよいかもしれません。