先週のドル円
先週のドル円は152.6円付近で寄り付き、週末にかけて156.8円付近まで上昇しました。しかし、その後は153.9円付近まで大きく下落し、154.3円付近で週を終えています。日本の貿易収支が市場予想を下回ったことや、米10月消費者物価指数(CPI)の伸びが加速したこと、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長のタカ派的な発言などが、ドル買い・円売りの要因となりました。
共和党がホワイトハウスと上下両院を制す「トリプルレッド」が成立する可能性がほぼ確実になったことによる、トランプ氏が掲げる政策が通り易くなるとの期待感も、ドル円上昇の大きな要因となりました。
金曜日は利食い売りや、株式市場の軟調な動き、加藤財務相による円安牽制発言などから、急落を見せましたが、ドル円の上昇トレンドが崩れる気配は今のところありません。
今週注目の経済指標
発表日 | 時刻 (日本時間) | 発表国 | 経済指標名 |
11/19 (火) | 19:00 | ユーロ圏 | 10月消費者物価指数(CPI) |
11/21 (木) | 未定 | 南ア | 南アフリカ準備銀行(中央銀行)政策金利発表 |
11/22 (金) | 08:30 | 日本 | 10月全国消費者物価指数(CPI) |
11/22 (金) | 16:00 | ドイツ | 7~9月期国内総生産(GDP)改定値 |
ドル円
ドル円は先週予想した通り、直近の高値であった154.7円付近を上抜けた後、7月23日以来の高値となる156.8円付近まで上昇しました。ファンダメンタルズ的には「トリプルレッド」の実現によるインフレ懸念・利下げ観測の後退、トランプ大統領が主張する関税引き上げによるインフレ懸念・利下げ観測の後退、円キャリートレードの再開期待など、上昇要因が多いです。
テクニカル的にも日足チャートで25日(青)、50日(緑)、100日(紫)、200日(赤)の4本の移動平均線をしっかりと上抜けており、やや勢いは衰えてきた感がありますが、地合いは極めて強いです。政府・日銀による為替介入観測が警戒されているものの、日本株の急落を招く可能性があり、安易に行うことはできません。 月曜日と木曜日に予定されている植田日銀総裁の発言で目立った発言が無ければ、157円付近までの上昇を見込んで買い目線を継続したいところです。
ユーロドル
ユーロドルは昨年10月13日以来の安値を付けるなど、9月からの下降トレンドが続いています。ファンダメンタルズ的にはトランプ政権による関税政策への警戒感や、フランスやドイツの政局不透明感、欧州中央銀行(ECB)による利下げ観測、「トリプルレッド」の実現による米国のインフレ懸念・利下げ観測の後退など、下落要因がそろっています。
テクニカル的にも日足チャートで25日(青)、50日(緑)、100日(紫)、200日(赤)の4本の移動平均線を下抜け、MACDもデッドクロスしており、地合いは極めて弱いです。今週は昨年の10月3日に付けた安値である1.045付近を目指した下落が想定されます。