先週のドル円
先週のドル円は154.3円付近で始まり、すぐに155.4円付近まで上昇したものの、その後153.3円付近までの下落を見せました。週の半ばにかけて155.9円付近まで再度上昇する場面も見られましたが、154.8円付近で週を終えています。
週の初めは植田日銀総裁によるややハト派的な発言や、円キャリートレードの再開期待などによって、円売りが入ってドル円は上昇しました。しかし、その後は加藤財務相による円安牽制発言や、プーチン大統領による核兵器の使用基準の引き下げ報道などが要因となり、ドル円は急落を見せました。 ロシアのラブロフ外相による火消し発言などによって、週半ばには週間の高値を付けましたが、ウクライナが英国製ミサイルを発射したとの報道や、ロシアが大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射したとの報道、日本の消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回ったことなどから、下落して上値の重い展開となっています。
今週注目の経済指標
発表日 | 時刻 (日本時間) | 発表国 | 経済指標名 |
11/26 (火) | 24:00 | 米国 | 10月新築住宅販売件数 |
11/26 (火) | 28:00 | 米国 | 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨 |
11/27 (水) | 10:00 | NZ | ニュージーランド準備銀行(中央銀行)政策金利発表 |
11/27 (水) | 22:30 | 米国 | 7~9月期四半期実質国内総生産(GDP)改定値 |
11/27 (水) | 24:00 | 米国 | 10月個人消費支出(PCE) |
11/29 (金) | 19:00 | ユーロ圏 | 11月消費者物価指数(CPI)速報値 |
11/29 (金) | 22:30 | カナダ | 7~9月期四半期国内総生産(GDP) |
ドル円
ドル円は先週予想した通り、157円付近までの上昇を見せ、その後は下落して週を終えました。しかし、11月15日には約3カ月半ぶり高値を付けており、依然として上昇トレンドが続いています。
ファンダメンタルズ的には、共和党がホワイトハウスと上下両院を制す「トリプルレッド」実現に伴うインフレ懸念による金利上昇予想や、トランプ大統領が主張する関税引き上げによるインフレ懸念・利下げ観測の後退、円キャリートレードの再開期待などが上昇要因となります。
ロシアとウクライナを巡る地政学的リスクによる円買いは限定的であり、政府・日銀による為替介入も7月に実施した160円付近までは行われないと考えられます。テクニカル的にも日足チャートで25日(青)、50日(緑)、100日(紫)、200日(赤)の4本の移動平均線をしっかりと上抜けており、やや勢いは衰えてきた感がありますが、地合いは極めて強いです。
今週は157円を再度トライする展開を予想しますが、28日は米国市場が感謝祭で休場となるため、薄商いによる乱高下に注意してください。
ユーロドル
ユーロドルは先週予想した通り、昨年の10月3日に付けた安値である1.045付近を目指して下落した後、一昨年の11月30以来の安値となる1.033付近まで急落しました。ファンダメンタルズ的には欧州経済の先行き不透明感や、フランスやドイツを巡る政局不透明感、ECBによる大幅利下げ観測、ロシア・ウクライナを巡る地政学的リスクなど、下落要因がそろっています。
テクニカル的にも日足チャートで25日(青)、50日(緑)、100日(紫)、200日(赤)の4本の移動平均線を下抜け、MACDもデッドクロスしており、地合いは極めて弱いです。今週は一昨年の11月21日以来の安値となる1.022付近までの下落が想定されます。