先週のドル円
先週のドル円は154.2円付近で寄り付き、すぐに154.7円付近まで上昇した後、週末にかけて10月21日以来の安値となる149.5円付近までの下落を見せました。その後も戻りは鈍く、149.7円付近で週を終えています。
週初めは「イスラエルとヒズボラの停戦合意が近づいている」との報道や、スコット・ベッセント次期米財務長官による減税に対する前向きな発言などが要因となって上昇しました。しかし、トランプ次期大統領による「中国から輸入される全製品に10%の追加関税」、「カナダやメキシコからの全輸入品に25%の関税」とのSNS投稿や、米10月新築住宅販売件数の市場予想を下回る結果、1月東京都区部消費者物価指数の市場予想を上回る結果、植田日銀総裁による「データが想定通りに推移しているという意味では(追加利上げの時期が)近づいているといえる」との発言などによって、週末にかけて急落することとなりました。
今週注目の経済指標
発表日 | 時刻 (日本時間) | 発表国 | 経済指標名 | |
12/2 (月) | 24:00 | 米国 | 11月ISM製造業景況指数 | |
12/4 (水) | 09:30 | 豪州 | 7~9月期四半期国内総生産(GDP) | |
12/4 (水) | 22:15 | 米国 | 11月ADP雇用統計 | |
12/4 (水) | 24:00 | 米国 | 11月ISM非製造業景況指数 | |
12/4 (水) | 27:45 | 米国 | パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長発言 | |
12/6 (金) | 19:00 | ユーロ圏 | 7~9月期四半期域内総生産(GDP)確定値 | |
12/6 (金) | 22:30 | 米国 | 11月非農業部門雇用者数 | |
12/6 (金) | 22:30 | 米国 | 11月失業率 | |
12/6 (金) | 22:30 | 米国 | 11月平均時給 | |
12/6 (金) | 22:30 | カナダ | 11月新規雇用者数 | |
12/6 (金) | 22:30 | カナダ | 11月失業率 |
今週注目の通貨ペア見通し
ドル円
ドル円は一時10月21日以来の安値となる149.5円付近まで急落するなど、地合いの悪化が見られます。しかし、ファンダメンタルズ的には、株式市場の崩壊を招きかねない日銀による年内利上げ実施の難しさや、米FRBによる利下げ期待の後退、トランプ大統領が主張する関税引き上げや減税によるインフレ懸念・利下げ観測の後退、円キャリートレードの再開期待などの反発を期待させる要因が多いです。
テクニカル的には、日足チャートで25日(青)、50日(緑)、200日(赤)の3本の移動平均線を一気に下抜け、地合いの悪化が顕著です。今週は153円付近を目指しての上昇を予想しますが、米国の重要な経済指標が多いことから、乱高下に注意してください。
南アフリカランド円
南アフリカランド円は一時10月2日以来の安値となる8.3円付近まで下落するなど、11月8日に急落を見せてから苦戦が続いています。ファンダメンタルズ的には、トランプ次期大統領による関税引き上げリスクや、南アフリカ中銀による追加利下げ観測など、下落を予想させる要因が多いです。
テクニカル的にも日足チャートで25日(青)、50日(緑)、100日(紫)、200日(赤)の4本の移動平均線を下抜け、MACDもデッドクロスしており、地合いは極めて弱いです。経済指標の結果によっては、節目となる8.0円付近までの下落があってもおかしくないでしょう。