先週のドル円
先週のドル円は149.5円付近で寄り付き、10月11日以来の安値となる148.6円台までの下落を見せました。しかし、その後は週の半ばにかけて151.2円台まで上昇し、150.0円付近で週を終えています。
ウォラー米連邦準備制度理事会(FRB)理事による、「12月の利下げ支持に傾いている」とのハト派的な発言や、韓国の尹大統領による非常戒厳宣言によるリスク回避の円買いなどが、週初めの下落の主な要因となりました。
しかし、その後は「日銀が12月の金融政策決定会合で政策維持を決定する可能性がある」との報道や、円キャリートレードの再開期待などによって、週半ばにかけて上昇を見せました。買い一巡後は伸び悩み、米11月ISM非製造業景況指数)の市場予想を下回る結果や、中村日銀審議委員による「利上げに反対しているわけではない」とのタカ派的な発言などが重石となり、週末にかけて下落しています。
注目された米11月雇用統計は、非農業部門雇用者数や平均時給が予想を上回りましたが、FRBによる利下げを妨げる程ではないとの見方からドル売りでの反応となり、ドル円は下落することとなりました。
今週注目の経済指標
発表日 | 時刻 (日本時間) | 発表国 | 経済指標名 |
12/9 (月) | 08:50 | 日本 | 7~9月期四半期実質国内総生産(GDP)改定値 |
12/10 (火) | 12:30 | 豪州 | 豪準備銀行(中央銀行)政策金利発表 |
12/11 (水) | 22:30 | 米国 | 11月消費者物価指数(CPI) |
12/11 (水) | 23:45 | カナダ | カナダ銀行(中央銀行)政策金利発表 |
12/12 (木) | 17:30 | スイス | スイス国立銀行(中央銀行)政策金利発表 |
12/12 (木) | 22:15 | ユーロ圏 | 欧州中央銀行(ECB)政策金利発表 |
12/12 (木) | 22:45 | ユーロ圏 | ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁記者会見 |
12/13 (金) | 08:50 | 日本 | 10~12月期日銀短観 |
12/13 (金) | 16:00 | 英国 | 10月月次国内総生産(GDP) |
今週注目の通貨ペア見通し
ドル円
ドル円は一時10月11日以来の安値となる148.6円台までの下落を見せるなど、一段と地合いの悪化がしています。ファンダメンタルズ的には日銀による年内利上げ観測の再燃や、米FRBによる年内利下げの織り込み加速、トランプ・トレード(インフレ懸念・利下げ観測の後退からのドル買い)の鈍化など、下落を想定させる要因が多くなってきました。
テクニカル的にも、日足チャートで25日(青)、50日(緑)、200日(赤)の3本の移動平均線を下抜けており、MACDもデッドクロスしていて、地合いの悪化が顕著です。12月11日(水)の米11月CPIが市場予想を下回る場合には、追加利下げ観測が高まって強い下押し圧力が加わると考えられます。その場合、147円付近を目指しての下落となりそうです。
ユーロドル
ユーロドルは今週やや持ち直す動きを見せましたが、依然として弱い地合いが続いています。ファンダメンタルズ的にはトランプ大統領による関税政策への警戒感や、欧州政治の先行き不透明感、ECBによる追加利下げ観測など、下落を予想させる要因がそろっています。
テクニカル的にも、日足チャートで25日(青)、50日(緑)、100日(紫)、200日(赤)の4本の移動平均線を下抜けており、地合いはかなり弱いです。今週はECBの政策金利発表がありますが、0.5%の利下げが実施された場合は、11月22日に付けた安値である1.033を目指しての下落が想定されます。