先週のドル円
先週のドル円は154.7円付近で始まり、すぐに155.9円付近まで上昇しましたが、その後は下落が続きました。週末には一時150.9円付近まで下落し、151.4円付近で週を終えています。
週明けはトランプ大統領がカナダやメキシコ、中国からの輸入品に対する関税を強化する大統領令に署名したことで、「米国でインフレが再加速する」との見方が広がり、ドル円は上昇しました。しかし、その後は日本の実質賃金が2カ月連続プラスとなったことを受け、日銀の追加利上げ観測が強まったことや、米1月ISM非製造業景況指数や米新規失業保険申請件数が弱い結果となったことなどにより、ドル円は急落することとなりました。
注目された米雇用統計は強弱入り混じる結果でしたが、日米首脳会談でトランプ大統領が「日本に対する関税も選択肢の一つだ」と発言したことなどが、151円割れの要因となり、今週もドル円はトランプ大統領の発言に振り回されそうです。
今週注目の経済指標
発表日 | 時刻(日本時間) | 発表国 | 経済指標名 |
---|---|---|---|
2/11(火) | 24:00 | 米国 | パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長発言 |
2/12(水) | 22:30 | 米国 | 1月消費者物価指数(CPI) |
2/12(水) | 24:00 | 米国 | パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長発言 |
2/13(木) | 16:00 | 英国 | 12月月次国内総生産(GDP) |
2/14(金) | 22:30 | 米国 | 1月小売売上高 |
今週注目の通貨ペア見通し
ドル円
先週予想した通り、ドル円は下落を見せました。ただし、複数の重要な米経済指標が弱い結果となったことや、トランプ大統領の発言などによって、予想した152.8円付近を大きく下回り、一時150.9円付近まで下落することとなりました。
今週は米1月CPIや、米1月小売売上高などの重要な経済指標が発表されますが、市場はトランプ大統領の関税政策に注目しており、発言次第では乱高下がありそうです。10日発動の中国の対米報復関税や、米国のEUへの関税、そしてすべての国を対象にした一律関税などが良い方向に進展しない限り、しばらくは上値が重たくなるかもしれません。
テクニカル的には、日足チャートで25日(青)、50日(緑)、100日(紫)、200日(赤)の4本の移動平均線を下抜け、MACDもデッドクロスしており、地合いもかなり悪いです。一時的なリスク回避ポジションの巻き戻しがあれば、積極的に戻り売りを狙っていきたい場面です。
目標は節目となる150円付近、これを抜けるようなら、昨年12月3日に付けた148.6円付近が見えてきます。
豪ドル円
先週の豪ドル円は95.3円付近で始まり、一時94.5円付近まで下落するなど、さえない展開となりました。トランプ大統領は中国に対して2月4日から10%の追加関税を発動し、これに対して中国は米国産品へ最大15%の関税などの報復措置を2月10日から適用すると発表しました。
今週10日までに良い方向に進展せず、報復措置が発動した場合、豪州は中国と交易関係が強いだけに大きな影響を受けそうです。テクニカル的には日足チャートで25日(青)、50日(緑)、100日(紫)、200日(赤)の4本の移動平均線を下抜け、MACDもデッドクロスしており、地合いもかなり悪いです。
目標は昨年9月11日に付けた安値である93.6円付近が目安となりそうです。