先週のドル円
先週のドル円は145.6円付近で始まり、水曜日には148.3円付近まで上昇しました。しかし、その後は一時142.1円付近までの大きな下落を見せ、143.5円付近で週を終えています。
トランプ大統領が相互関税について、「報復措置を取らない国などに対しては措置を90日間停止する」と発表したことで、ドルが買われ、ドル円は大きく上昇しました。しかし、その後に「中国からの輸入品に対する関税率は合計で145%になる」との発表があったことで、一転してドル売りが加速し、ドル円は急落することとなりました。
今週注目の経済指標
発表日 | 時刻(日本時間) | 発表国 | 経済指標名 |
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4/16(水) | 11:00 | 中国 | 1~3月期四半期国内総生産(GDP) |
4/16(水) | 18:00 | ユーロ | 3月消費者物価指数(CPI) |
4/16(水) | 21:30 | 米国 | 3月小売売上高 |
4/16(水) | 22:45 | カナダ | カナダ銀行(中央銀行)政策金利発表 |
4/16(水) | 26:30 | 米国 | パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長発言 |
4/17(木) | 21:15 | ユーロ | 欧州中央銀行(ECB)政策金利発表 |
4/17(木) | 21:45 | ユーロ | ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁定例記者会見 |
4/18(金) | 08:30 | 日本 | 3月全国消費者物価指数(CPI) |
今週注目の通貨ペア見通し
ドル円
今週もドル円は、トランプ大統領の相互関税によって大きく振り回されることとなりました。90日間の措置停止を受け、市場では警戒感が一時後退したものの、中国からの輸入品に145%もの関税を課すなど、貿易戦争に終わりが見えません。
今後、日本を含む各国が米国との交渉をどのように進めるか次第では、再び貿易戦争をめぐる懸念が強まることも予想され、ドル円は乱高下しやすい環境が続きそうです。テクニカル的には、日足チャートで25日(青)、50日(緑)、100日(紫)、200日(赤)の4本の移動平均線を下抜け、MACDもデッドクロスしており、地合いは非常に悪い状態です。
米国の追加関税が、基本とする10%についてはすでに発動されていることを考えると、米国のインフレ再燃や、企業収益悪化への懸念によるドル売りが起こりやすいと思われるため、今週は140円を試しにいく動きを予想します。
ポンド円
米国の追加関税が90日間停止となったことで、189.8円付近まで大きく上昇したポンド円ですが、その後は一時186.0円付近まで下落し、187.6円付近で週を終えています。
英国に対する追加関税は10%となっており、EUや日本に比べて小幅です。とはいえ、英国は財政健全化の最中であり、成長性には疑問符が付くことから、ポンドは売られやすい状況となっています。
テクニカル的には、日足チャートで25日(青)、50日(緑)、100日(紫)、200日(赤)の4本の移動平均線を下抜け、MACDもデッドクロスしており、地合いは非常に悪い状態です。今週は昨年9月に付けた安値である183.7円付近を目指す展開を想定しています。