先週のドル円
先週のドル円は141.7円付近で始まり、火曜日には139.9円付近までの下落を見せました。しかし、その後は上昇に転じ、金曜日には144.0円付近まで上昇し、143.7円付近で週を終えています。
トランプ大統領によるパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の解任を求める発言により、米国への信頼性が低下したことが、ドル円の下落の大きな要因となりました。とはいえ、すぐにトランプ大統領が自身の発言を否定し、中国への関税が大幅に下がる可能性について言及したことで、ドル円は一転して急反発し、一時は144円を超える勢いを見せました。
今週注目の経済指標
発表日 | 時刻(日本時間) | 発表国 | 経済指標名 |
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4/30 (水) | 17:00 | ドイツ | 1~3月期四半期国内総生産(GDP)速報値 |
4/30 (水) | 18:00 | ユーロ | 1~3月期四半期域内総生産(GDP)速報値 |
4/30 (水) | 21:15 | 米国 | 4月ADP雇用統計 |
4/30 (水) | 21:30 | 米国 | 1~3月期四半期雇用コスト指数 |
4/30 (水) | 21:30 | 米国 | 1~3月期四半期実質国内総生産(GDP)速報値 |
4/30 (水) | 21:30 | カナダ | 2月月次国内総生産(GDP) |
4/30 (水) | 23:00 | 米国 | 3月個人消費支出(PCE) |
5/1 (木) | 未定 | 日本 | 日銀金融政策決定会合 |
5/1 (木) | 未定 | 日本 | 日銀展望レポート |
5/1 (木) | 15:30 | 日本 | 植田日銀総裁定例記者会見 |
5/1 (木) | 23:00 | 米国 | 4月ISM製造業景況指数 |
5/2 (金) | 18:00 | ユーロ | 4月消費者物価指数(CPI) |
5/2 (金) | 21:30 | 米国 | 4月非農業部門雇用者数 |
5/2 (金) | 21:30 | 米国 | 4月失業率 |
5/2 (金) | 21:30 | 米国 | 4月平均時給 |
ドル円
ドル円は先週予想した通り、節目となる140円にトライする展開となりました。しかし、その後はトランプ大統領の発言トーンが和らいだことにより、一転して急反発を見せました。
依然としてトランプ大統領に振り回されている状況ではあるものの、最近のトランプ大統領の発言は、市場の不安を抑え、株安と債券安を避けようとしている感があります。特に、債券安は金利上昇につながり、国債の利払い費が大きくなってしまうことから警戒しているのでしょう。
30日に予定されている1〜3月期四半期実質GDP速報値が市場予想より悪かった場合、トランプ大統領の発言がさらに弱気になり、その結果としてドル円は上昇する可能性があります。逆に、市場予想と同水準か良好な内容だった場合、再び強気な発言が出る可能性があり、それが市場の不安を再燃させ、ドル円は下落しやすくなるかもしれません。
テクニカル的には、日足チャートで25日(青)、50日(緑)、100日(紫)、200日(赤)の4本の移動平均線を下抜け、MACDもデッドクロスしており、地合いは非常に悪い状態です。
今週もドル円は下押し圧力がかかったままになると思われ、140円を再度トライする展開が想定されます。
ユーロ円
トランプ大統領のトーンダウンや、「中国が米国への関税を一部見直す可能性」との報道により、ユーロ円は大きく上昇し、163.2円付近で週を終えました。関税は依然としてリスク要因ではありますが、目立った進展がないため、上にも下にも動きにくい状況です。
テクニカル的には、日足チャートで25日(青)、50日(緑)、100日(紫)、200日(赤)の4本の移動平均線を上抜け、MACDもゴールデンクロスしており、地合いは非常に良いです。
今週は161円から164円のレンジ相場を予想し、161円付近で買い、164円付近では利益確定を意識した売り戦略を考えたいところです。