先週のドル円
先週のドル円は143.5円付近で始まり、早々に142円弱までの下落を見せました。しかし、その後は一転して大きく上昇し、金曜日には145.9円台を付け、145.0円付近で週を終えています。
米国が自動車関税の負担軽減措置を表明したことや、日銀の植田総裁が利上げを急がない姿勢を見せ、日銀の早期利上げ観測が後退したこと、赤沢経済再生相が第2回日米関税協議について、「為替は議論にならなかった」と発言したことなどが、ドル円の上昇の主な要因となりました。
今週注目の経済指標
発表日 | 時刻(日本時間) | 発表国 | 経済指標名 |
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5/5(月) | 23:00 | 米国 | 4月ISM非製造業景況指数 |
5/7(水) | 27:00 | 米国 | 米連邦公開市場委員会(FOMC) |
5/7(水) | 27:30 | 米国 | パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長定例記者会見 |
5/8(木) | 08:50 | 日本 | 日銀金融政策決定会合議事要旨 |
5/8(木) | 20:00 | 英国 | イングランド銀行(中央銀行)政策金利発表 |
5/8(木) | 20:00 | 英国 | 英中銀金融政策委員会(MPC)議事要旨 |
5/9(金) | 21:30 | カナダ | 4月新規雇用者数 |
5/9(金) | 21:30 | カナダ | 4月失業率 |
今週注目の通貨ペア見通し
ドル円
トランプ大統領の関税に関する発言がややトーンダウンを見せ、7日に予定されるFOMCの政策金利発表とパウエルFRB議長の会見に市場の注目が集まっています。トランプ関税によるインフレ再燃懸念がある一方、成長の減速や雇用市場の軟化への対応も迫られており、どちらを優先するのかが注目されます。
今のところパウエル議長は様子見の姿勢を崩していませんが、利上げを急ぐ姿勢は見られません。さらに、日銀の早期利上げ観測が後退しており、円高の流れが巻き戻されてドル円は上昇しやすそうです。
テクニカル的には、日足チャートで50日(緑)、100日(紫)、200日(赤)の3本の移動平均線を下抜けており、地合いはやや悪い状態です。今週は4月9日に付けた高値である148.3円付近を目指す上昇を予想します。
ユーロ円
週初めは円買い戻しの流れで下落したユーロ円ですが、米国が自動車関税の負担軽減措置を表明したことや、日銀の早期利上げ観測が後退したことなどから、レンジの上限を突破する展開となりました。
ユーロ圏のGDPや4月消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回ったことから、ユーロはやや買われやすい状況が続くと思われます。ただし、円安基調が定着しないと積極的に買われるまではいかなそうです。
テクニカル的には、日足チャートで25日(青)、50日(緑)、100日(紫)、200日(赤)の4本の移動平均線を上抜け、MACDもゴールデンクロスしており、地合いは非常に良いです。今週は昨年10月に付けた高値である166.7円付近までの上昇を予想します。