先週のドル円
先週のドル円は146.1円付近で始まり、すぐに148.7円付近まで大きく上昇しました。しかし、その後は一転して下落が続き、一時は144.9円付近までの下落を見せ、145.9円付近で週を終えています。
米中の関税協議で大幅な関税の引き下げが決まったことにより、市場のセンチメントが改善し、週初めのドル円は大きく上昇しました。しかし、米国が日本に対して円安の是正を要請するのではないかとの思惑や、「米国が日米貿易協定の見直しを視野に入れている」との報道などから、ドル売り円買いが優勢となり、大きく下落することとなりました。
今週注目の経済指標
発表日 | 時刻(日本時間) | 発表国 | 経済指標名 |
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5/19(月) | 18:00 | ユーロ | 4月消費者物価指数(CPI)改定値 |
5/20(火) | 13:30 | 豪州 | 豪準備銀行(中央銀行)政策金利発表 |
5/22(木) | 20:30 | ユーロ | 欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨 |
5/23(金) | 08:30 | 日本 | 4月全国消費者物価指数(CPI) |
5/23(金) | 15:00 | ドイツ | 1~3月期国内総生産(GDP)改定値 |
5/23(金) | 23:00 | 米国 | 4月新築住宅販売件数 |
今週注目の通貨ペア見通し
ドル円
ドル円は先週予想した通り、4月9日に付けた高値である148.3円付近を目指しての上昇を見せました。148.3円付近に達した後は、148.7円付近までの上昇を見せたものの、ここからは一転して下落することとなりました。
今週は23日に、日本の4月CPIが発表されます。CPIの結果が予想より高かった場合、日銀の早期追加利上げ観測が持ち直し、ドル円を押し下げそうです。
そして、米中関税交渉は具体的な交渉には至っておらず、日米の交渉も中々進展していません。そのため、今週のドル円は上値が重たくなりそうです。今週は日米財務相会談や赤沢経済再生相の訪米が予定されており、経済指標よりこれらの行方が注目される週になるでしょう。
テクニカル的には、日足チャートで50日(緑)、100日(紫)、200日(赤)の3本の移動平均線を下抜けており、地合いはやや悪い状態です。今週は145円から2円幅程度のレンジ相場を予想しますが、関税でポジティブ報道があれば買い目線、ネガティブな報道があれば売り目線で追従したいところです。
豪ドル円
豪ドル円は先週予想した通り、3月18日に付けた高値である95.7円付近を目指しての上昇を見せました。しかし、その後は米国が日本に対して円安の是正を要請するのではないかとの思惑などから、一転して大きく下落することとなりました。
今週は20日に、豪準備銀行による政策金利発表が予定されています。市場は利下げをすでに織り込んでおり、実際に利下げが行われても大きな動きにはならないでしょう。市場の関心は、その後に行われるブロック総裁の会見で連続利下げの可能性が言及されるかに集まりそうです。
テクニカル的には、日足チャートで25日(青)、50日(緑)の2本の移動平均線を上抜け、MACDもゴールデンクロスしており、地合いはやや良い状態です。今週は93円から2円幅程度のレンジ相場を予想します。