先週のドル円
先週のドル円は145.3円付近で始まり、火曜日には145.5円付近まで上昇したものの、金曜日には一時142.4円付近までの下落を見せ、ほとんど反発できずに142.5円付近で週を終えています。
米格付け会社「ムーディーズ・インベスターズ」が、米国債の格付けを最高位のトリプルAから1段階引き下げたことや、トランプ大統領が推進する減税関連法案による財政健全性への懸念、法案審議が長引くことによるデフォルト(債務不履行)リスクなどが、ドル円の下落要因となりました。
今週注目の経済指標
発表日 | 時刻(日本時間) | 発表国 | 経済指標名 |
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5/28(水) | 11:00 | ニュージーランド | ニュージーランド準備銀行(中央銀行)政策金利発表 |
5/28(水) | 27:00 | アメリカ | 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨 |
5/29(木) | 未定 | 南アフリカ | 南アフリカ準備銀行(中央銀行)政策金利 |
5/29(木) | 21:30 | アメリカ | 1~3月期四半期実質国内総生産(GDP)改定値 |
5/30(金) | 21:30 | アメリカ | 4月個人消費支出(PCE) |
5/30(金) | 21:30 | カナダ | 1~3月期四半期国内総生産(GDP) |
5/30(金) | 21:30 | カナダ | 3月月次国内総生産(GDP) |
今週注目の通貨ペア見通し
ドル円
米国経済は不確実性が高く、ドルは売られやすい状況が続きそうです。ただし、経済指標はそこまで悪くないことから、140円を大きく割るような展開になる可能性は低いかもしれません。
今週は赤沢経済再生相が30日を軸に米国を再訪問し、ベッセント米財務長官と協議を行う予定です。日本時間21時ごろからの米国市場の時間帯は、関税関連のニュースによる乱高下に注意が必要になるでしょう。
テクニカル的には、日足チャートで25日(青)、50日(緑)、100日(紫)、200日(赤)の4本の移動平均線を下抜け、MACDもデッドクロスしており、地合いはかなり悪い状態です。今週は140円を目指しての下落を予想しますが、あまり深追いはせずに戻り売りを心がけたいところです。
ユーロ円
先週のユーロ円は、狭い値幅での推移となりました。トランプ大統領のEUへの50%関税は7月9日までの期限延長が合意され、当面の危機は免れた感があります。
米国からEUへの資金逃避が進んでいることを考えると、ユーロ円の下値は堅くなりそうです。テクニカル的には、日足チャートで25日(青)、50日(緑)の2本の移動平均線を下抜け、MACDもデッドクロスしており、地合いはやや悪い状態です。今週は5月14日に付けた高値である165.2円付近を目指しての上昇を予想しますが、大きな材料が出ない限り、押し目買いのスタンスで臨むとよいでしょう。