先週のドル円
先週のドル円は142.5円付近で始まり、火曜日には142.1円付近まで下落しました。その後は一時146.3円付近までの大きな上昇を見せましたが、結局144.0円付近まで下落して週を終えています。
「財務省が2025年度の国債発行計画を再検討する」との報道から、「国債発行額を減額するのではないか」との思惑が広がり、超長期・長期国債の金利が低下し、円売りが優勢となりました。さらに、トランプ大統領が発動した相互関税などの関税措置について、米国際貿易裁判所が恒久的な差し止めを命じたことで、市場では安心感が広がり、ドル買いが入ってドル円はさらなる上昇を見せました。
しかし、その後米連邦巡回区控訴裁判所が関税差し止めの執行を一時停止する判断を下し、現行の関税措置が続くことになったことで、一転して大きく売られる荒々しい展開となりました。
今週注目の経済指標
発表日 | 時刻(日本時間) | 発表国 | 経済指標名 |
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6/2(月) | 23:00 | アメリカ | 5月ISM製造業景況指数 |
6/2(月) | 26:00 | アメリカ | パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長発言 |
6/3(火) | 18:00 | ユーロ | 5月消費者物価指数(CPI)速報値 |
6/4(水) | 10:30 | オーストラリア | 1~3月期四半期国内総生産(GDP) |
6/4(水) | 21:15 | アメリカ | 5月ADP雇用統計 |
6/4(水) | 22:45 | カナダ | カナダ銀行(中央銀行)政策金利発表 |
6/4(水) | 23:00 | アメリカ | 5月ISM非製造業景況指数 |
6/5(木) | 21:15 | ユーロ | 欧州中央銀行(ECB)政策金利 |
6/5(木) | 21:45 | ユーロ | ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁記者会見 |
6/6(金) | 18:00 | ユーロ | 1~3月期四半期域内総生産(GDP)確定値 |
6/6(金) | 21:30 | アメリカ | 5月非農業部門雇用者数変化 |
6/6(金) | 21:30 | アメリカ | 5月失業率 |
6/6(金) | 21:30 | アメリカ | 5月平均時給 |
6/6(金) | 21:30 | カナダ | 5月新規雇用者数 |
6/6(金) | 21:30 | カナダ | 5月失業率 |
今週注目の通貨ペア見通し
ドル円
トランプ大統領の相互関税などについて、裁判所が恒久的な差し止めを命じましたが、結局は関税差し止めの執行が一時停止され、不確実性の高い状況が続いています。そのため、インフレ再燃や景気減速への懸念は高まったままになるでしょう。
テクニカル的には、日足チャートで25日(青)、50日(緑)、100日(紫)、200日(赤)の4本の移動平均線を下抜け、MACDもデッドクロスしており、地合いはかなり悪い状態です。今週は140円を目指しての下落を予想しますが、あまり深追いはせずに戻り売りを心がけたいところです。
ユーロ円
先週のユーロ円は、財務省による国債発行計画の見直し検討報道や、米国際貿易裁判所によるトランプ関税の差し止め命令などにより、大きく上昇することとなりました。しかし、その後は「関税差し止めの執行を一時停止する」との報道などから、一転して押し戻されています。
今週は木曜日に、欧州中央銀行(ECB)が政策金利を発表します。0.25%の利下げが予想されておりますが、すでに織り込み済みであるため、実際に利下げされてもユーロ売り圧力は大きくはないでしょう。
テクニカル的には、日足チャートで25日(青)、50日(緑)、100日(紫)、200日(赤)の2本の移動平均線を上抜けており、地合いはかなり良い状態です。今週は5月14日に付けた高値である165.2円付近を目指しての上昇を予想しますが、大きな材料が出ない限り、押し目買いのスタンスで臨むとよいでしょう。