先週のドル円
先週のドル円は143.8円付近で始まり、火曜には142.4円付近まで下落しました。しかし、金曜日には一時145.1円付近までの大きな上昇を見せ、144.8円付近で週を終えています。
トランプ大統領が鉄鋼・アルミニウムへの輸入関税引き上げを発表したことで、週初めはリスク回避の円買いが先行することとなりました。しかし、週末の雇用統計で非農業部門雇用者数や平均時給が市場予想を上回ったことから、ドルが大きく買われ、ドル円は大きく上昇することとなりました。
今週注目の経済指標
発表日 | 時刻(日本時間) | 発表国 | 経済指標名 |
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6/9(月) | 08:50 | 日本 | 1~3月期四半期 実質 GDP改定値 |
6/11(水) | 21:30 | アメリカ | 5月 CPI |
6/12(木) | 15:00 | イギリス | 4月 月次GDP |
今週注目の通貨ペア見通し
ドル円
米国がEUに課す相互関税の上乗せ税率発動が7月8日に迫っており、その動向が市場に大きな影響を与えそうです。「TACO(Trump Always Chickens Out、トランプはいつもビビってやめる)」という造語が生まれたことからも分かる通り、近年はトランプ大統領の発言による市場の過剰反応はやや落ち着いてきた印象があります。
しかしながら、依然としてトランプ大統領の発言には大きな影響力があり、しっかりと注意すべきでしょう。テクニカル的には、日足チャートで25日(青)、50日(緑)の2本の移動平均線を上抜け、MACDもゴールデンクロスしており、地合いは改善傾向にあります。今週は5月29日に付けた高値である146.3円付近を目指しての上昇を予想しますが、不確実性が高いことから上値は重くなる可能性があり、あまり深追いはせず押し目買いを心がけたいところです。
ユーロ円
先週予想した通り、ユーロ円は5月14日に付けた高値である165.2円付近を目指しての上昇を見せました。その後、165.3円手前まで上昇したものの、165.0円付近で週を終えています。
先週、ECB(欧州中央銀行)のラガルド総裁は「利下げサイクルは最終局面に差し掛かっている」との認識を示しました。これにより、利下げペースの鈍化が見込まれており、今後ユーロを支える要因になるはずです。今週は、7月8日に迫る米国がEUに課す相互関税の上乗せ税率発動の動向が、ユーロ円に大きな影響を与えそうです。
テクニカル的には、日足チャートで25日(青)、50日(緑)、100日(紫)、200日(赤)の4本の移動平均線を上抜けており、地合いはかなり良い状態です。今週は昨年10月に付けた高値である166.7円付近を目指しての上昇を予想しますが、相互関税の動向が警戒されていることから、押し目買いのスタンスで臨むとよいでしょう。