先週のドル円
先週のドル円は144.2円付近で始まり、すぐに143.7円付近までの下落を見せました。しかし、その後は一時146.2円付近まで上昇し、146.1円付近で週を終えています。
「米国がイスラエルの軍事行動に加わらない限り、イランは米国との核協議を再開する用意がある」との報道が伝えられたことで、リスクオフムードが和らぎ、ドル円は143.7円を底値として、145.4円付近まで堅調に上昇しました。
その後は、米小売売上高が市場予想を下回ったことや、「米国がイランに対して攻撃を含む複数の選択肢を検討している」との報道などから、ドル円は下げに転じたものの、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が利下げに慎重な姿勢を示すと再度上昇を見せ、週全体としては底堅い展開となりました。
今週注目の経済指標
発表日 | 時刻(日本時間) | 発表国 | 経済指標名 |
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6/24(火) | 23:00 | アメリカ | パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長発言 |
6/25(水) | 23:00 | アメリカ | 5月新築住宅販売件数 |
6/25(水) | 23:00 | アメリカ | パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長発言 |
6/26(木) | 21:30 | アメリカ | 1~3月期四半期実質国内総生産(GDP)確定値 |
6/27(金) | 21:30 | アメリカ | 5月個人消費支出(PCE) |
6/27(金) | 21:30 | カナダ | 4月月次国内総生産(GDP) |
今週注目の通貨ペア見通し
ドル円
先週はドル円が堅調な動きを見せましたが、ドルが強いというよりも円の弱さが目立った週となりました。要因としては、地政学的リスクによる原油価格の上昇懸念や、日米関税協議の先行き不透明感、日銀の追加利上げ期待の後退などが挙げられます。
中東の緊張が続く限り、ドル円は上昇しやすくなりそうです。テクニカル的には、日足チャートで25日(青)、50日(緑)の2本の移動平均線を上抜け、MACDもゴールデンクロスしており、地合いはかなり改善してきました。
今週は5月に付けた高値である148.7円付近を目指しての上昇を予想しますが、中東が不安定であることから、慎重に押し目買いをしていきたいところです。
豪ドル円
中東情勢の悪化が原油価格の大幅な上昇につながったことで、資源国通貨である豪ドルは底堅く推移してきました。ただし、最近は上値も重いことから、いつ下落に転じてもおかしくないように思われます。
「米国がイランに対して攻撃を開始する」との思惑が強まれば、リスク回避で豪ドルが売られ、大幅な下落が起きる可能性があります。さらに、今月12日にはトランプ大統領が「2週間以内に一方的に関税率を設定する」と発言しており、期限が今週26日であることから、発表内容によってはこちらも豪ドル売りにつながりそうです。
テクニカル的には、日足チャートで25日(青)、50日(緑)、100日(紫)の3本の移動平均線を上抜けてはいるものの、MACDがデッドクロスしそうであり、地合いはやや悪化してきています。
今週は今月13日に付けた安値である92.3円付近を目指す展開を予想しますが、中東リスクを考慮し、慎重に戻り売りをしていくとよいでしょう。