先週のドル円
先週のドル円は149.4円付近で始まり、水曜日には146.6円付近まで下落しました。しかし、その後は一転して一時147.8円付近まで上昇し、147.4円付近で週を終えています。
注目された9月ADP雇用統計は予想外のマイナスとなり、米国のつなぎ予算案もまとまらずに政府機関が一部閉鎖され、ドルが売られる展開となりました。ただ、その後は植田日銀総裁が利上げを急がない姿勢を示したことなどから円が売られ、ドル円はある程度の持ち直しを見せました。
また、週末に自民党総裁選で積極財政派として知られる高市氏が選出されたことで、週明けは大きく窓を開けて149.2円付近で始まっています。
今週注目の経済指標
発表日 | 時刻(日本時間) | 発表国 | 経済指標名 |
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10/8(水) | 10:00 | ニュージーランド | ニュージーランド準備銀行(中銀)政策金利発表 |
10/8(水) | 27:00 | アメリカ | 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨 |
10/9(木) | 20:30 | ユーロ | 欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨 |
10/10(金) | 21:30 | カナダ | 9月新規雇用者数 |
10/10(金) | 21:30 | カナダ | 9月失業率 |
今週注目の通貨ペア見通し
ドル円
週末に自民党の総裁選挙が行われ、高市氏が当選しました。下馬評では小泉氏がやや有利とされていたため、少し番狂わせのような格好になりました。
高市氏は積極財政派として知られていることから、市場はリスクオンで反応し、週明けは円安、株高となっています。今後は利上げに否定的な高市氏のプレッシャーに対して、日銀が利上げ時期についてどのような判断を下すのかが注目されるでしょう。
テクニカル的には、日足チャートで25日(青)、50日(緑)、100日(紫)、200日(赤)の4本の移動平均線を上抜け、MACDもゴールデンクロスしており、地合いは依然として非常にいいです。今週は8月1日に付けた高値である150.9円付近を目指しての上昇を予想しますが、高市氏の政策には連立の行方や財源問題など、実現には多くの難題が待ち構えていることを考慮し、丁寧な押し目買いで臨みたいところです。

ユーロ円
注目されたユーロ圏の9月消費者物価指数(CPI)は市場予想通りだったものの、前月から総合の伸びが加速し、コアは横ばいとなり、欧州中央銀行(ECB)の利下げサイクル終了を正当化するデータとなりました。これはユーロ円の上昇をサポートする材料となるでしょう。
ただし、欧州連合(EU)がロシアの銀行を対象とした新たな追加制裁措置を発表し、トランプ大統領が欧州各国にロシア産原油の不買を要請するなど、ロシアとの地政学的リスクの高まりは経済成長へのネガティブ材料となりそうです。
テクニカル的には、日足チャートで25日(青)、50日(緑)、100日(紫)、200日(赤)の4本の移動平均線を上抜け、MACDもゴールデンクロス間近であり、地合いは依然として非常にいいです。今週は心理的な節目である180.0円付近を目指しての上昇を予想しますが、「高市トレード」の反動を考慮し、慎重に押し目買いをしていきたいところです。
