先週のドル円
先週のドル円は154.5円付近で始まり、木曜日には157.9円付近まで上昇しました。しかし、その後は一時156.2円付近まで下落し、156.4円付近で週を終えています。日本の2025年度の補正予算が総額21.3兆円と、前年度の13.9兆円を大きく上回るとの報道により、財政に対する不透明感が意識され、円が売られる要因となりました。
さらに、政府・日銀が金融緩和を継続する姿勢を示していることも、円売り圧力を強める材料となっています。一方、米国では政府機関の一時閉鎖が解消され、12月の利下げ観測も後退したことで、ドルが買われやすい状況となりました。
今週注目の経済指標
| 発表日 | 時刻(日本時間) | 発表国 | 経済指標名 |
|---|---|---|---|
| 11/25(火) | 16:00 | ドイツ | 7~9月期国内総生産(GDP)改定値 |
| 11/25(火) | 22:30 | アメリカ | 9月小売売上高 |
| 11/26(水) | 10:00 | ニュージーランド | ニュージーランド準備銀行(中銀)政策金利発表 |
| 11/27(木) | 21:30 | ユーロ | 欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨 |
| 11/28(金) | 22:30 | カナダ | 7~9月期四半期国内総生産(GDP) |
今週注目の通貨ペア見通し
ドル円
米国市場がサンクスギビングデーとなるため、本来であれば市場は閑散となるはずですが、今年は米政府機関の再開によって9月小売売上高などが発表される予定であり、大きな値動きが続く可能性もありそうです。
9月小売売上高で強い数値がでれば、一気に円買い介入の警戒水準である160円を超えてくるかもしれません。ただし、最近では日本政府による円安牽制のトーンも強まっており、160円付近では介入への警戒感から上値が重くなりそうです。
テクニカル的には、日足チャートで25日(青)、50日(緑)、100日(紫)、200日(赤)の4本の移動平均線を上抜けてはいるものの、MACDもゴールデンクロスしており、地合いが非常によくなっています。
今週は1月に付けた高値である158.9円付近を目指す展開を予想しますが、日本政府要人による口先介入や月末のリバランスなどを考慮し、慎重に押し目買いをしていきたいところです。

ユーロ円
ユーロ円は先週予想した通り、182円付近までの上昇を見せました。日本政府・日銀の金融緩和の継続姿勢などから、円が売られやすい状況が続き、史上最高値の更新が続いています。
一方、欧州中央銀行(ECB)による利下げサイクルが終了したとみられる点はユーロのサポート材料となり、中々上昇が止まりません。ただし、26日に英国で予算案が提出される予定であり、これの影響を受けて大きな動きを見せる可能性には注意が必要でしょう。
テクニカル的には、日足チャートで25日(青)、50日(緑)、100日(紫)、200日(赤)の4本の移動平均線を上抜け、MACDもゴールデンクロスしており、地合いは非常にいいです。
今週は185円付近を目指す展開を予想しますが、急ピッチな上昇の反動で上値が重くなることを想定し、慎重に押し目買いをしていきたいところです。


