日本政府関係者「介入4月29日と5月2日」、英中銀金利据え置きも利下げ期待高まる

FXマーケットニュース。2024年5月13日
目次

概要

  • 「政府関係者への取材によって、為替介入が4月29日と5月2日に実施されたことが分かった」との報道があった
  • 足元で円安が進んでいることを受け、神田財務官や植田日銀総裁などから、市場をけん制する発言が出ている
  • 英中銀は政策金利を5.25%に据え置いた
  • ただし、利下げを支持するMPCメンバーが二人に増え、早期利下げへの期待が高まっている
  • 豪中銀が政策金利を据え置きも、声明が予想ほどタカ派的ではなかったことから、豪ドルの売り圧力に

日本政府関係者「為替介入は4月29日と5月2日」

「政府関係者への取材によって、為替介入が4月29日と5月2日に実施されたことが分かった」との報道がありました。両日ともに円買い介入と見られる動きがあり、ドル円は一時151円台まで下落して週を終えていました。

日銀のデータと市場の推計値には大きな開きがあり、29日にドル円が160円台から154円台まで下落した時に約5.5兆円、2日に157円台から153円台まで下落した際には約3.5兆円、計約9兆円分の介入があったと予想されています。これは2022年に実施された介入で使われた金額に匹敵するものです。

当初は介入について語らない姿勢を貫いていた神田財務官ですが、足元で円安が進んでいることを受け、為替介入について「いつでもやる用意がある」との、市場をけん制する発言をしています。植田日銀総裁からは「政策運営にあたって最近の円安の動きを十分に注視している。動向次第で金融政策運営上の対応が必要になると考えている」、鈴木財務相からも「まさに必要であれば適切な対応を堂々とやっていきたい」という円安へのけん制発言が出ています。

ただ、それにも関わらずドル円は一時156円付近までの上昇を見せ、160円台まで再度上昇すると見込むヘッジファンドは少なくありません。イエレン米財務長官から「介入はまれであるべきで、協議が行われることが期待される」と介入をけん制する発言があったこともあり、円売りによるドル円の上昇圧力は再び高まりを見せています。

ある市場関係者は「秋ぐらいまでは円安圧力がかかるのではないか」とし、「年内にドル円が160円を目指す可能性はある」との見方を示しました。別の市場関係者は、「日銀が低迷する円相場を押し上げるために、政策金利を年内に0.75%程度まで引き上げる」との見解を示しています。

ただ、急速な利上げは経済に悪影響を及ぼすことが考えられ、実行できるかは不透明だと言えるでしょう。また、中東で軍事的緊張が高まっていますが、安全通貨として買われている様子も無く、厳しい円売りが継続する可能性もありそうです。

英中銀が金利据え置きも利下げ期待高まる

イングランド銀行(英中銀)が金融政策委員会(MPC)会合を開催し、政策金利を5.25%に据え置きました。ただし、利下げを支持するMPCメンバーが前回の一人から二人に増え、市場で早期利下げへの期待が高まっています。

ベイリー英中銀総裁も、「数カ月内に利下げが必要になる公算が大きい」としており、6月の利下げ実施について「可能性を排除しないが、既定路線でもない」と語っています。現在、市場は年間で計2回0.5ポイントの利下げを予想していますが、ベイリー総裁は「現在市場が織り込んでいる以上の可能性もある」との見方を示しました。

英国はピーク時にはインフレ率が11%を超えていましたが、中銀当局者は4〜6月(第2四半期)には目標とする2%まで低下すると予想しており、利下げしやすい環境が整ってきています。ベイリー総裁も、「インフレ持続性は我々の従来の想定ほど、強くないことを示唆する証拠があると言えるだろう」と述べています。

英中銀が6月に利下げを実施した場合、先進国で一番乗りとなってポンド円やポンドドルの下落圧力につながる可能性がありそうです。ただ、利下げについて「賃金の伸びやサービスインフレ、労働市場のあらゆる数値が緩和を示している証拠がさらに必要」と考えるMPCメンバーもおり、6月に実施されるかは今後の経済指標の結果が大きく左右しそうです。

豪中銀政策金利据え置きで豪ドル下落

オーストラリア準備銀行(豪中銀)が政策決定会合を開催し、政策金利を4.35%に据え置きました。政策金利の据え置きは、昨年12月から4会合連続となっています。

ただ、声明が予想ほどタカ派的ではなかったことから、豪ドルの売り圧力につながりました。ある市場関係者は「1〜3月(第1四半期)のインフレ率のサプライズを考えると、追加利上げの可能性も排除できないという、過去のガイダンスに戻ると市場は見込んでいた可能性が高い」との見解を示しました。

豪中銀の元幹部であるジョナサン・カーンズ氏は、との認識を示しています。

FXマーケットニュース。2024年5月13日

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