FXにおけるプライスアクションとは?基礎知識とトレード手法を解説

FXにおけるプライスアクションとは?基礎知識とトレード手法を解説

FX取引において、プライスアクションは効果的なトレード手法の1つです。プライスアクションは、市場の状況を直接的に反映するローソク足を用いて、トレンドや転換ポイントを見極める方法です。本記事では、FXのプライスアクションの基本的な概念や、さまざまなプライスアクションパターンを紹介し、それらを活用した取引手法について解説していきます。

目次

FXのプライスアクションとは?

FXのプライスアクションとは?
プライスアクションを探している様子

プライスアクション(Price Action)とは、外国為替(FX)や株式市場などで取引される金融商品の価格変動そのものを分析する手法です。チャート上の過去の価格データをもとに、将来の相場の動きを予測することを目的としています。

プライスアクションの判断にはローソク足を使うことが一般的です。ローソク足チャートは、価格変動をわかりやすく視覚的に表現することができ、オープン価格、クローズ価格、高値、安値の4つの価格情報を含んでいます。これらの情報を用いて、市場の心理や勢力のバランスを読み取り、将来の相場の動きを予測するためにプライスアクション分析が行われます。

FXで用いるプライスアクションパターン一覧

FXで用いるプライスアクションの代表例としては、以下のものがあげられます。

プライスアクション相場状況
スラストアップ/スラストダウントレンド継続
ランウェイアップ/ランウェイダウントレンド継続
ピンバー(十字線)転換
リバーサルハイ/リバーサルロー転換
インサイドもみ合い
アウトサイドもみ合い
FXで用いるプライスアクションパターン一覧

「スラストアップ/スラストダウン」(トレンド継続)

「スラストアップ/スラストダウン」(トレンド継続)
プライスアクション「スラストアップ/スラストダウン」のローソク足

スラストアップ(Thrust up)とスラストダウン(Thrust down)は、トレンド継続を表すシグナルとして利用されます。

スラストアップは、短期間で大幅な価格上昇が起こる現象を指します。これは、買い圧力が強まり、多くの市場参加者が買いポジションに参加していることを示唆します。スラストアップは、トレンドの開始や強化、逆張りの買いシグナルなど、さまざまなトレード戦術において重要な意味を持ちます。

一方、スラストダウンは、短期間で大幅な価格下降が起こる現象を指します。これは、売り圧力が強まり、多くの市場参加者が売りポジションに参加していることを示唆します。スラストダウンも、トレンドの開始や強化、逆張りの売りシグナルなど、さまざまなトレード戦術において重要な意味を持ちます。

「ランウェイアップ/ランウェイダウン」(トレンド継続)

「ランウェイアップ/ランウェイダウン」(トレンド継続)
プライスアクション「ランウェイアップ/ランウェイダウン」のローソク足

「ランウェイアップ(Runway Up)」と「ランウェイダウン(Runway Down)」は、継続的な上昇トレンドや下降トレンドを示すプライスアクションです。

ランウェイアップは、連続的な上昇トレンドを指し、価格が一定の期間にわたって上昇し続ける現象を示します。これは、買い圧力が継続的に強まり、市場参加者が引き続き買いポジションに参加していることを示唆します。ランウェイアップは、トレンドフォロー戦術において、買いシグナルやトレンドの継続性を確認するのに役立ちます。

一方、ランウェイダウンは、連続的な下降トレンドを指し、価格が一定の期間にわたって下降し続ける現象を示します。これは、売り圧力が継続的に強まり、市場参加者が引き続き売りポジションに参加していることを示唆します。ランウェイダウンも、トレンドフォロー戦術において、売りシグナルやトレンドの継続性を確認するのに役立ちます。

「ピンバー(十字線)」(転換)

「ピンバー(十字線)」(転換)
プライスアクション「ピンバー」のローソク足

「ピンバー」または「十字線」は、短期的な価格反転を示す信号です。長い影(ワック)を持ち、本体部分(実体)が短く、上下の影のどちらかが短いローソク足で構成されます。これは、一時的に価格が極端に上昇(または下降)したものの、最終的には元の価格帯に戻ったことを示します。この現象は、市場参加者の一部が相場の方向性を試すために行った買い(または売り)が、他の参加者によって押し戻されたことを示しています。

ピンバーは、その形状から「ハンマー」「シューティングスター」「インバートハンマー」などとも呼ばれ、上昇トレンドや下降トレンドの終わりを予測するためのプライスアクションです。例えば、下降トレンドの後にピンバーが現れた場合、価格が反転して上昇トレンドに移行する可能性が高まります。逆に、上昇トレンドの後にピンバーが現れた場合、価格が反転して下降トレンドに移行する可能性が高まります。

「リバーサルハイ/リバーサルロー」(転換)

「リバーサルハイ/リバーサルロー」(転換)
プライスアクション「リバーサルハイ/リバーサルロー」のローソク足

「リバーサルハイ」および「リバーサルロー」とは、価格チャート上での一時的な最高値(リバーサルハイ)および最低値(リバーサルロー)を指し、短期的な価格の反転が発生したことを示すプライスアクションです。

リバーサルハイは、上昇トレンドの終わりや一時的な価格のピークを示すことがあります。リバーサルハイ発生後は、市場参加者が利益確定のために売り始めるか、新たな売りポジションを構築することが考えられるでしょう。

逆に、リバーサルローは、下降トレンドの終わりや一時的な価格の底を示すことがあります。これは、リバーサルロー発生後は、リバーサルハイとは対照的に、市場参加者が損失を食い止めるために買い始めるか、新たな買いポジションを構築することが考えられます。

「インサイド」(もみ合い)

「インサイド」(もみ合い)

「インサイド」とは、インサイドバーとも呼ばれ、価格の範囲が前の期間(通常は1つ前のローソク足)の範囲内に完全に収まるローソク足パターンを指します。つまり、現在のローソク足の高値が前のローソク足の高値より低く、低値が前のローソク足の低値より高い状態です。

インサイドバーは、市場の方向性が不確かで、参加者が次の動きについて慎重になっていることを示すことがあります。これは、コンソリデーション(価格の横ばい)期間や、大きな動きが発生する前の静かな期間を表している可能性があります。

インサイドバーは、ブレイクアウトの兆候を見つけるために使用されることが多いです。インサイドバーの形成後、価格が前のローソク足の高値・低値を超えると、ブレイクアウトが発生したと判断されます。このポイントで、トレーダーはブレイクアウトの方向に従ってポジションを取ることができます。

「アウトサイド」(もみ合い)

「アウトサイド」(もみ合い)

「アウトサイド」とは、アウトサイドバーとも呼ばれ、ある期間(通常はローソク足)の高値と低値が、直前の期間(1つ前のローソク足)の高値と低値をそれぞれ超えるパターンを指します。「インサイド」とは反対に、現在のローソク足の高値が前のローソク足の高値より高く、低値が前のローソク足の低値より低い状態になります。

アウトサイドバーは、市場のボラティリティが高まっており、強い買い圧力または売り圧力が存在することを示していることがあります。このパターンは、価格の方向性や勢いの変化を示すシグナルとして利用されることが多いです。

アウトサイドバーが形成された後、価格がアウトサイドバーの高値または低値をさらに超えると、その方向にブレイクアウトが発生したと判断されます。トレーダーは、ブレイクアウトの方向に従ってポジションを取ることができます。

FX取引におけるプライスアクションを使った手法

FX取引におけるプライスアクションを使った手法
プライスアクションを利用してトレードを行おうとしている様子

プライスアクションを使ってFXトレードを行う場合、まずはライントレードと併用した手法を利用するのがおすすめです。ライントレードとプライスアクションを組み合わせた具体的なトレード手法は、サポート・レジスタンスラインやトレンドラインを基本に、プライスアクションのさまざまなパターンを活用して、エントリーとエグジットのタイミングを決定します。以下にその具体的な手法を説明します。

STEP
サポート・レジスタンスラインの確認

まず、過去の価格データを基にサポート・レジスタンスラインをチャートに描き、価格が反転するポイントを特定します。

STEP
トレンドラインの描画

次に、価格が上昇または下降している方向を示すトレンドラインをチャートに描き、現在のトレンドの強さや継続性を把握します。

STEP
プライスアクションパターンの確認

チャート上で、ピンバー、インサイドバー、アウトサイドバー、ハンマー、シューティングスターなどのプライスアクションパターンを探します。

STEP
エントリータイミングの判断

サポート・レジスタンスラインやトレンドラインに沿ったプライスアクションパターンが現れた場合、エントリーのタイミングが近いことを示しています。例えば、サポートライン上でピンバーが現れた場合、買いエントリーを検討することができます。

STEP
ストップロスと利確目標の設定

エントリー前に、ストップロスと利確目標を設定します。ストップロスは、サポート・レジスタンスラインやトレンドラインを基に、損失を最小限に抑えるための価格を決めます。利確目標は、次のサポート・レジスタンスラインやトレンドラインに基づいて決定します。

STEP
エグジットタイミングの判断

利確目標に到達した場合や、反対方向のプライスアクションパターンが現れた場合は、ポジションを閉じることを検討します。例えば、買いポジションを持っていて、レジスタンスライン近くでピンバーが現れた場合、売りエグジットを検討することができます。

このように、ライントレードとプライスアクションを組み合わせたトレード手法では、チャート上のサポート・レジスタンスラインやトレンドラインに注目し、プライスアクションパターンを活用してエントリーおよびエグジットのタイミングを決定します。インジケーターなどと組み合わせるとさらに精度をあげることも可能です。この手法を叩き台にして、自分好みの手法を模索してみましょう。

FXトレードでプライスアクションを活用してみよう

ローソク足を用いた判断や、さまざまなプライスアクションパターンを理解することで、効果的な取引手法を活用できます。プライスアクションは市場の状況を素早く把握できるため、トレードの精度を向上させることが可能です。これらの知識を習得し、FX取引において効果的なトレードを実現しましょう。また、テクニカル分析やライントレードの知識も併せて学ぶことで、さらにトレードスキルが向上するでしょう。

FXにおけるプライスアクションとは?基礎知識とトレード手法を解説

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