FX自動売買のメリット・デメリットや注意点は?

FX取引にはトレーダーが売買や決済の判断をするのではなく、ソフトやプログラムによって自動でトレードする仕組みがあります。MT4などの取引プラットフォームに設定すれば誰でも利用できることから利用を検討されている方もいるかもしれません。ここではFX取引の自動売買のメリットやデメリットと利用する際の注意点などを詳しく解説します。

目次

FXの自動売買って何?

ビジネスマンとチャート
ビジネスマンとチャートのイラスト

FXの自動売買とは、ソフトやプログラムがあらかじめ決められたルールに従って自動でFX取引を行うことをいいます。MT4に自動売買の設定をすれば、その後は自動で取引をしてくれるので一見簡単に儲かりそう、と考えてしまう人もいるかもしれません。しかし、FXで自動売買を導入する場合には注意点がいくつかありますから、順番に見ていきましょう。

自動売買には種類がある?

自動売買には以下の3種類があります。

自動売買のメリットとは?

  1. 24時間チャンスを逃さない
  2. 相場分析などの知識や経験が不要
  3. 感情に左右されずルールに則った取引ができる

1 24時間チャンスを逃さない

自動売買をMT4などに設定すれば、ユーザーが自動売買の停止をしない限り相場が動いている間は決められたロジックに則って取引を継続してくれるので、仕事をしていても寝ていても売買チャンスを逃すことはありません。

2 相場分析などの知識や経験が不要

自動売買にはあらかじめロジックがプログラムされていますから、ユーザーはFXの知識や経験がなくてもMT4などの取引プラットフォームに設定するだけで、すべておまかせでFX取引ができます。

3 感情に左右されずルールに則った取引ができる

FX取引で安定した利益を出すために大きな障害となるのがトレーダーの感情です。裁量取引ではトレーダーの感情の起伏によって損切りができなかったり、利益が伸ばせなかったりと、自ら決めた取引ルールであっても、それに則って取引することは容易ではありません。しかし、自動売買ではそういった心配は一切なく、決められたロジックに従って淡々と取引が進みます。

自動売買のデメリットとは?

  1. 相場とロジックが合っていないと損切りの連続になる
  2. バックテストのデータには注意が必要
  3. 自動売買ソフトやプログラムを選ぶのが難しく、費用がかかる場合がある
  4. 定期的にユーザーのチェックが必要

1 相場とロジックが合っていないと損切りの連続になる

自動売買のロジックには大きく分けてレンジ相場用の逆張り型と、トレンド相場用の順張り型があり、逆張りロジックの自動売買をトレンド相場で運用するとロジックと相場が合っていないので、損切りトレードを繰り返すことになり、ユーザーが自動売買を停止しない限り損失を出し続ける可能性があります。

2 バックテストのデータには注意が必要

自動売買の【バックテストで勝率99%!】などというキャッチコピーには注意が必要です。なぜなら、バックテストとは過去の相場でどのくらい利益が出たのか、またどのくらいの勝率を出せたのかを検証することです。したがって、設定をいろいろ変更すれば利益が出たロジックや高い勝率を出せるロジックを見つけることは比較的簡単にできるからです。

問題はそれは過去の相場で好成績が得られたというデータであり、明日以降も同じ成績で売買できる保証にはなりません。

3 自動売買ソフトやプログラムを選ぶのが難しく、費用がかかる場合がある

現在は非常に多くの種類のFXの自動売買ソフトやプログラムが利用可能で、無料で提供されているものもあり、便利ですがFX初心者はどれを選べば良いのかがわからないことも多いでしょう。また、自動売買の利用には手数料のような費用がかかったり、中には非常に高額な自動売買ソフトもありますから、ユーザーは慎重に品定めをする必要があります。

4 定期的にユーザーのチェックが必要

自動売買を設定してあとは放置しておくだけで利益が出ればそれに越したことはありませんが、実際はユーザーが定期的に自動売買をモニターする必要があります。自動売買のロジックが相場に合っていて利益が出ているかどうかを定期的に確認し、もし損切りが連続しているような場合はポジション数を減らしたり、自走売買を停止したりしなければなりません。また相場が大きく動くと予想される米国非農業者部門雇用者数の発表やFOMCの発表時は一時的に自動売買を停止させた方が良い場合もあります。

自動売買は完全放置でお金が儲かる、という夢のようなソフトやプログラムではなく、ユーザーが適切に管理する必要がある取引手法ということを理解しておきましょう。

チャートとグラフを分析
チャートとグラフを分析している人のイラスト

自動売買を利用する場合、特に注意しなければならない点はこれ!

高額商品だからといって稼げるわけではない!?

ときどき非常に高額な自動売買ソフトが売られていることがありますが、そういうソフトの購入には特に慎重になることをおすすめします。購入する側の心理としては、高額なものは良いもの、と思い込んでしまうことがあるかもしれませんが、FXの自動売買に関しては高ければ良いものという考えは通用しません。なぜなら、相場は日々変化していて、その相場の変化に対応してトレードすれば利益を出し続けることができますが、自動売買はあらかじめ決められたロジックに従って売り買いを繰り返す仕組みなので、そのロジックが相場に合わなくなれば、どんなに高額な自動売買ソフトでも利益を出すことはできず、昨日まで無敗で売買していた自動売買ソフトが明日から損切りの連続になる可能性は十分あります。

つまり自動売買はそのソフトやプログラムのロジックが相場に合っているかどうかが最も重要で、無料で提供されている自動売買でも相場の動きにプログラムが合っていれば安定して利益を出し続けることができます。高額だから儲かるに違いない、という単純な考えでは高い買い物で連続損失を出してしまう可能性もあるということを十分理解しておきましょう。

自動売買にまかせっきりで放置はダメ!

自動売買を安定して利益を出すように運用するためには、ユーザーは定期的に自動売買の取引をモニターし、場合によっては自動売買の運用を一時的に停止するなどの判断が必要な場合があり、以下に例をあげます。

重要経済指標発表時

重要な経済指標が発表されるときに自動売買を継続して運用するか、一時的に停止させるかはその自動売買のロジックと取引の時間軸の設定によって判断します。自動売買のロジックが長期的な取引を想定している場合は、ある程度の乱高下は許容範囲のことが多いのでそのまま継続運用が可能ですが、短期的なロジックの場合は一時的に自動売買を停止させ、乱高下が収まってから再度運用を開始した方が安全です。

連続損切り

自動売買の取引をモニターしていて、損切りが目立つようになってきたら、相場とロジックが合っていない可能性があります。ロジックを調整できる場合はユーザーが相場にあわせてロジックの設定を調整すれば対応できることもありますが、ロジックの調整ができない場合は自動売買の運用を停止しなければどんどん損失が大きくなってしまう可能性があります。

このように利益が出ている限り自動売買は定期的に確認するだけで非常に便利に活用できますが、ユーザーは自動売買の勝率や利益率などに変化があった場合は、損失は許容範囲に収まっているか、ポジションサイズは適正化などの資金管理を行う必要があります。自動売買の運用は定期的に取引の内容を確認し、必要であれば自動売買を調整したり停止させる判断が求められることを覚えておきましょう。

まとめ

自動売買はユーザーがチャートを見ていなくても自動で取引を継続してくれる便利な取引方法ですが、すべてお任せで放置しておけば利益が出るわけではないことがご理解いただけたと思います。

自動売買をユーザーが適切に管理して運用すれば便利に活用できるので、自動売買を運用するために必要な知識を習得し、、ユーザー自身のライフスタイルや資産運用のスタイルに合わせて自動売買を活用すると良いでしょう。

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