テクニカル分析ではチャートを使って過去の市場の価格動向を分析して未来の値動きを予測します。そんなテクニカル分析にはさまざまな種類が存在します。本記事ではおすすめのテクニカル分析6つの基礎的な内容や使い方について解説していきます。
FXにおけるテクニカル分析とは?

FXにおけるテクニカル分析は、過去の価格変動や出来高などのチャートを分析し、今後の相場の動きを予測する手法です。テクニカル分析は、主にチャートパターン、テクニカル指標、サポート&レジスタンスライン、トレンドラインなどを使い、相場の方向性や反転点を把握します。
テクニカル分析は「トレンド系」「オシレーター系」の2種類に分類できます。
相場の全体的な方向性を見極めることが目的
現在のトレンドの強さや過熱感など変化の大きさや兆しを察知することを目的
テクニカル分析は、短期的な取引に適しており、デイトレーダーやスキャルパーなどのトレーダーによって広く用いられています。ただし、FX市場は予測不可能な場合があるため、テクニカル分析を使っても必ずしも成功するとは限りません。リスク管理をしっかりと行なった上で取引を行うことが重要です。
テクニカル分析おすすめ6選

- 【トレンド系】おすすめ①:移動平均線を使ったテクニカル分析
- 【トレンド系】おすすめ②:一目均衡表を使ったテクニカル分析
- 【トレンド系】おすすめ③:ボリンジャーバンドを使ったテクニカル分析
- 【オシレーター系】おすすめ④:RSIを使ったテクニカル分析
- 【オシレーター系】おすすめ⑤:MACDを使ったテクニカル分析
- 【オシレーター系】おすすめ⑥:ストキャスティクスを使ったテクニカル分析
【トレンド系】おすすめ①:移動平均線を使ったテクニカル分析
移動平均線とは、ある一定期間の終値の平均値を計算しグラフ化したものです。移動平均線と現在の価格によって、相場のトレンド(上昇しているのか、下降しているのか、レンジか)を分析することができます。そんな移動平均線を使ったテクニカル分析としては、「ゴールデンクロス」と「デッドクロス」が代表例としてあります。
「ゴールデンクロス」と「デッドクロス」は、移動平均線やMACDなどのテクニカル指標を参考にして見られるサインのことです。 FXの取引における「買いシグナル」「売りシグナル」を見極める判断材料の1つとして多くの人が活用しており、相場を読み取るポイントになります。

ゴールデンクロスは強力な買いのサインとなります。上記画像のようにゴールデンクロスの発生後相場は大きく上昇していることが分かります。

デッドクロスは強力な売りシグナルと判断されます。上記画像では、デッドクロスの発生後大きく相場が下落していることが分かります。
【トレンド系】おすすめ②:一目均衡表を使ったテクニカル分析
一目均衡表は、相場が「いつ」変動するのかという時間軸を重視したテクニカル指標です。5つの補助線と「雲」で構成されており、FXにおいて、相場状況を分析するために使われます。一目均衡表は日本で考案された指標として、世界中のトレーダーの間で一般的に使われています。
一目均衡表は、日足のみで使うのが一般的です。基準線と転換線を組み合わせて分析することができます。また、雲とローソク足の位置関係や遅行スパンとローソク足の位置関係を見ることもできます。
一目均衡表を使った具体的なテクニカル分析としては、「三役好転」「三役逆転」をつかった方法が代表的です。「三役好転」「三役逆転」では3つの条件が揃った時にエントリーをします。

①転換線が基準線を上抜け・基準線が横向きか上向きになる
②遅行線がローソク足を上に抜ける
③現在価格のローソク足が雲を上に抜ける
三役好転では上記3つの条件が揃った時にエントリーを行います。三役好転は強い上昇のシグナルとなり、買いポジションを持つのに絶好のポイントとなります。

①転換線が基準線を下抜け・基準線が横向きか下向きになる
②遅行線がローソク足を下に抜ける
③現在価格のローソク足が雲を下に抜ける
三役逆転も同様に、3つの条件が揃った時にエントリーを行います。三役逆転は強い下降のシグナルとなり、売りポジションを持つのに絶好のポイントとなります。
【トレンド系】おすすめ③:ボリンジャーバンドを使ったテクニカル分析
ボリンジャーバンドは、移動平均線と標準偏差で構成されており、移動平均を表す線とその上下に値動きの幅を示す線を加えた指標で、「価格の大半がこの帯(バンド)の中に収まる」という統計学を応用したテクニカル指標のひとつです。ボリンジャーバンドは、1980年代前半に米国の投資研究家であるジョン・ボリンジャー氏によって考案されました。
ボリンジャーバンドのメリットとして、リアルタイムで抵抗線を教えてくれることが挙げられます。また、バンドの幅の変化と中心線(移動平均線)の傾き、ローソク足とバンドの位置関係の3点から視覚的にわかりやすくチャート分析ができるのが特徴です。
ボリンジャーバンドの動き方には、スクイーズ、エクスパンション、バンドウォークの3パターンがあります。

スクイーズとは、ボリンジャーバンドの上下幅が小さくなって縮まった状態のことです。ボリンジャーバンドは、相場のボラティリティ(値動きの大きさ)に合わせて拡大と収縮を繰り返す性質があり、ボラティリティが小さくなりバンド幅が収縮している状態がスクイーズです。
エクスパンションとは、ボリンジャーバンドの上下幅が大きく広がった状態のことです。「スクイーズ」とは反対に「エクスパンション」はボラティリティが上昇している状態になります。
トレンドが発生するとバンドウォークという特有のパターンが現れます。バンドウォークとは、ボリンジャーバンドのローソク足が±2σに沿うよう推移し、トレンドの継続を意味するパターンです。バンド上をローソク足が歩いているように見えることからバンドウォークと呼ばれています。
ボリンジャーバンド単体でトレード判断することは難しいですが、他のテクニカル指標と併用することで、効果的にトレードを行うことができます。
【オシレーター系】おすすめ④:RSIを使ったテクニカル分析
RSIは「Relative Strength Index」の略で、日本語では「相対力指数」と言います。一定期間の相場の値上がり幅と値下がり幅から、「買われすぎ」か「売られすぎ」かを判断するための指標です。1978年にJ・W・ワイルダーが発表しました。
RSIは、50%を中心として0~100%の範囲で推移する指標です。上昇局面では数値が50%以上になり、下降局面では数値が50%以下となるのですが、通常は70~80%以上であれば相場は買われすぎ、20~30%以下であれば相場は売られ過ぎであるとみなされます。

一般的な使い方は逆張りでのエントリーシグナルとして利用します。「RSIが30%(20%)以下に下がると売られすぎの状態なので買いシグナル」「RSIが70%(80%)以上まで上昇すると買われすぎの状態なので売りシグナル」となります。
【オシレーター系】おすすめ⑤:MACDを使ったテクニカル分析
MACDは、2本の移動平均線からトレンドの強さを測るオシレーター系のテクニカル指標です。MACDはMoving Average Convergence Divergenceの頭文字を取ったもので「マックディー」と呼ばれています。相場の周期とタイミングを捉えるテクニカル指標です。
MACDは、移動平均線をもとにして「MACD線」と「シグナル線」の2つの線で構成されており、メリットとしては直近の価格をより反映している分だけ、より価格の動きを精密にキャッチすることができます。また、ゴールデンクロスとデッドクロスという非常に分かりやすい売買タイミングとして用いられるサインを一目で、かつ素早く判断することができます。

MACD線がシグナル線を上抜けることをゴールデンクロスといい、価格が下落から上昇に転換する買いシグナルとなります。逆にMACDがシグナルを下抜けることをデットクロスといい、価格が上昇から下降に転換する売りシグナルや利益確定のポイントとなります。
【オシレーター系】おすすめ⑥:ストキャスティクスを使ったテクニカル分析
ストキャスティクスは、FX/CFDにおいて相場の過熱感を分析するインジケーターです。相場が買われ過ぎか売られ過ぎかを示すオシレーター系のテクニカル指標で、数値が0~100の間で推移します。
ストキャスティクスは、当日の終値が過去の高値、安値に対してどの位置にあるかを数値化し、買われすぎ、売られすぎを推計するテクニカル指標です。ストキャスティクスでは2本のラインが80%以上で推移すると「買われすぎ」、20%以下で推移すると「売られすぎ」と判断します。具体的な売買判断は、ゴールデンクロスやデッドクロスを活用します。

「SRV%KとSRV%Dが20%以下まで下がり、その後に2線がゴールデンクロスした時」は買いシグナル、逆に「SRV%KとSRV%Dが80%以上まで上昇し、その後に2線がデッドクロスした時」は売りシグナルとなります。MACDやボリンジャーバンドなど他のテクニカル指標を併用することでより精度の高い分析が可能となります。
おすすめのテクニカル指標を使って分析してみよう!
FXにおけるテクニカル分析は、価格データを分析することで将来の価格変動を予測する手法です。移動平均線、一目均衡表、ボリンジャーバンド、RSI、MACD、ストキャスティクスなどのテクニカル分析手法があります。
これらの手法は、過去の価格データから将来を予測するため、必ずしも正確な予測をするわけではありません。そのため、テクニカル分析を行う場合は、他の分析手法と総合的に判断することが大切です。また、リスク管理が重要であるため、適切なポジションサイズの設定や損切りラインの設定などを行うことが必要です。