【FX用語集】基礎編

FX取引のための最も基本的な用語についてわかりやすく解説します。

本記事で紹介する用語はトレーダーにとって、絶対に知っている必要があるといっても過言ではないほどです。これからFXを始めようという方はぜひ押さえておきましょう。

目次

FX基本用語集

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pips(単数形はpip)

pipsとはpercentage in pointの複数形の略で「ピップス」と読み、通貨の共通単位として使われます。FX取引ではさまざまな国の通貨が取引され、通貨ペアの種類もたくさんありますから、ドル円が30銭上がった、ユーロドルが0.003ドル上がったとそれぞれの通貨単位で表現すると、通貨ペアごとに単位が異なるためわかりにくく、比較もしにくくなります。

ドル円が30pips上がった、ユーロドルが30pips上がったと同じ単位で表現されることで、ドル円とユーロドルが同じ値幅だけ上昇したことが簡単にわかります。

ドル円の場合、1pipは0.01円、1銭ですから、10pipsで10銭、100pipsで1円です。ユーロドルの場合は1pipは0.0001ドル、0.01セントとなっています。

スプレッド

スプレッドとは取引をする場合の売値と買値の差のことで単位はpipsで表します。ドル円の場合、売値が100円ちょうど、買値が100円2銭の場合、スプレッドは2pipsです。つまり、100円ちょうどで売り注文を出した時点では、買値は100円2銭ですから、2銭は含み損で、2銭より多く価格が下落した場合、利益を出すことができます。

スプレッドは小さければ小さいほどトレーダーは利益を出しやすくなり、狙っている値幅が小さければ小さいほどスプレッドの影響は大きくなりますが、狙う値幅が大きくなればなるほどスプレッドの影響は小さくなります。

スプレッドはFX会社によって原則的に固定されている場合と変動制の場合があります。変動制の場合は、早朝や市場参加者が極端に少なくなるクリスマスの時期や年末年始などは特に大きくなることがあり、場合によってはドル円でも数十pipsも開くことがありますから注意しましょう。

スワップ

スワップ(スワップレートやスワップポイントともいう)とは通貨ペアを作る2国の金利差のことです。例えばドル円の場合、米ドルの金利が高く日本円の金利が安い場合は、ドル円の買いポジションを持つことでスワップを受け取ることができますが、ドル円の売りポジションを持っているときは、スワップを支払わなければなりません。ただし、スワップの受け取りや支払いは日本時間の午前7時(夏時間は午前6時)にポジションを保有していることが条件で、スワップを受け取ったり支払ったりという作業は自動的に行われますから、ポジションを保有していてもトレーダーが何かをする必要はありません。

通貨ペアごとのスワップの数値は各FX会社のホームページで公開されていたり、MT4(後述)で確認できます。

レバレッジ

レバレッジとは梃子(テコ)の意味で、FXでは口座残高(証拠金といいます)の数十倍~数百倍の金額の取引ができることをいいます。国内FXの個人口座の場合のレバレッジは金融庁によって一律25倍と決められていますが、海外FXは一切制限がありませんから、数百倍から1,000倍を超えるレバレッジでの取引が可能です。

10万円の資金で10万円分のドル円を取引している場合はレバレッジは1倍ですが、100万円分のドル円を取引するならレバレッジは10倍、1,000万円分のドル円を取引するならレバレッジは100倍になります。レバレッジが大きくなると同時に損益も大きくなりますから、高いレバレッジをかけた取引には適切なリスク管理と資金管理が必要になります。

ドルストレート

FXで取引される通貨ペアの中で、米ドルとペアになる通貨ペアをドルストレートといいます。ドル円、ユーロドル、ポンドドル、ドルスイスフラン、豪ドルドルなどです。米ドルは世界の基軸通貨なので、ドルストレートは他の通貨ペアにくらべて取引量が多く活発に取引されます。

ドルストレートはその多い取引量によって市場の流動性が確保されるため、突発的な動きは少なく比較的安定した値動きになる傾向があります。

クロスレート、クロス通貨

ドルストレート以外の通貨ペアをクロスレートやクロス通貨といいます。例えばユーロ円、ポンド円、豪ドル円などはクロス円、ユーロポンド、ユーロスイスフラン、ユーロ豪ドルなどはユーロクロスなどと呼ばれます。

クロス通貨は合成通貨とも呼ばれ、ドルストレート同士を掛け算して作っています。例えば、ユーロ円の場合はドル円×ユーロドル、ポンド円の場合はドル円×ポンドドルという具合です。

例えばドル円が上昇していてポンドドルも上昇していれば、ドル円×ポンドドルで作られるポンド円も上昇していることがわかります。またドル円を買い、ポンドドルも買うという2つのポジションを作ることはポンド円の買いポジションを1つ作ることと同義です。

東京時間

FXは月曜日の朝7時(夏時間は午前6時)から土曜日の朝7時(夏時間は午前6時)まで24時間いつでも取引できますが、その中の日本時間の午前9時から午後3時くらいまでは東京時間と呼ばれます。日本時間の午前9時からは日本の株式の取引が開始されることから株式に連動した動きが見られることが多く、アジア圏のトレーダーが多く取引します。

東京時間はドル円やクロス円、豪ドル円、ニュージーランドドルなどのオセアニア通貨が多く取引される傾向があります。

欧州時間

午後4時(夏時間は午後5時)くらいからヨーロッパのトレーダー(欧州勢)がFX市場に参加してくることから、午後4時から午後8時くらいまでは欧州時間と呼ばれます。欧州通貨であるユーロやポンドが活発に取引されるため、東京時間ではあまり動きのなかったユーロドル、ポンドドル、ユーロポンドなどの通貨ペアが急に動き始めるのも欧州市場の特徴です。

NY時間(ニューヨーク時間)

午後9時(夏時間は午後10時)から翌日の午前6時くらいまでをNY時間と言います。欧州勢に加えてNY勢が参加してくることから1日の中でもっとも活発に為替相場が動く時間帯です。特に午後10時半(夏時間は午後9時半)の米国の経済指標の発表時にはドルストレートが大きく動きだすことがあります。

仲値

仲値とは金融機関がその日の為替取引をするときの基準になるレートのことです。日本時間の午前9時55分の為替レートを参考に決定されます。海外旅行に行くときに空港で日本円を外国通貨に両替する際の為替レートも仲値に銀行の手数料を加えた価格で決まります。FX取引では特に五十日(ごとうび、5日、10日、15日など5日刻みの日)や月末日は国内企業の決済に絡んだドル買い需要が多いことから、午前9時過ぎから9時55分まではドル円が買われやすい傾向があります。

ロンドンフィキシング

ロンドン市場で金の取引価格を決めることを言います。日本時間の午前1時(夏時間は午前0時)に行われ、金の取引はドル建てで取引されるため、ドルストレートがこの時間に大きく動くことがあります。

NYオプションカット

米国ニューヨーク市場での通貨オプションの権利行使時間の期限で、日本時間の午前0時(夏時間は午後11時)に行われ、通貨オプションの取引量が多い時にはドルストレートが大きく動くことがあります。

経済指標

各国が発表する経済指標に為替相場は影響を受けて動くことがあります。経済指標の種類は非常に多く、貿易収支、物価指数、雇用指数などさまざまですが、中でも米国の非農業部門雇用者数の発表時や政策金利の発表時は為替相場が非常に大きく動くことがあります。また、経済指標の発表はスケジュールが決められているため、トレーダーは事前に保有しているポジションを軽くしたりストップの位置を調整したりするなどの準備ができます。

MT4、MT5

MT4はMeta Trader 4の略称で世界中で使われているもっとも人気なFX取引ソフトです。標準でも多数のテクニカルインジケーターを備えていますが、それ以外にも多くのカスタムインジケーターがあり、追加でインストールすることができます。また、チャートの色や時間軸、テクニカルインジケーターの組み合わせなどをトレーダーの好みに合わせて自由に選択しレイアウトができます。

MT5はMT4の進化バージョンでMT4に比べて非常に軽く動作する点がポイントですが、ユーザー数はまだMT4の方がかなり多いようです。

チャート

過去の値動きを視覚化したもので、時間軸を設定することで短期間から長期間までの値動きを表すことができます。値動きを表す方法としてラインチャート、バーチャート、ローソク足があり、特にローソク足は1本のローソク足に初値、終値、高値、安値が表示されることから、その時間にどのような値動きになったのかを容易に理解することができるのでユーザー数も多くとても便利です。

ラインチャート
ドル円のラインチャート
バーチャート
ドル円のバーチャート
ローソク足チャート
ドル円のローソク足チャート

ロスカット

FX取引はレバレッジをかけて取引されるため、FX会社は証拠金維持率(純資産÷必要証拠金×100(%))の最低値を定めていて、その最低値を下回った場合はFX会社によってすべてのポジションが強制的に決済される仕組みになっています。簡単に言えば含み損が証拠金よりも大きくなる前にポジションが決済される仕組みです。

ゼロカットシステムと追証

含み損が大きくなるとロスカットによって証拠金が0(ゼロ)になる前にポジションはすべて決済されますが、急激で大幅な相場変動によって含み損が急激に大きくなってしまった場合はロスカットが間に合わず、口座残高がマイナスになってしまうことがあります。その場合はユーザーが口座残高をマイナスから0に戻す分の資金を追加入金する必要があり、そのことを追証(追加証拠金)といいます。

海外FX会社では相場の急変時に口座残高がマイナスになった場合は、FX会社側で証拠金残高をマイナスから0にしてくれるゼロカットシステムがあり、追証が発生しないメリットがあります。

まとめ

本記事の基本的な用語以外の取引に関する専門用語などについては別記事にて解説します。

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